車いすや子ども連れでの移動はいろいろと不安があると思います。新幹線を利用する際に、新幹線の多目的室の利用を検討される方もいるのではないでしょうか。新幹線の多目的室は、ほぼすべての車両に設置されていますが、JR東日本、JR西日本など鉄道会社ごとに、予約条件や予約方法が違います。

この記事では新幹線の多目的室についての説明や、2026年現在の鉄道会社ごとの予約条件や予約方法などを紹介しています。実際の車いすユーザーが多目的室を利用した様子も紹介しておりますので、参考にしてみてください。

<目次>


  1. 新幹線の多目的室とは?料金は?
  2. 多目的室の予約条件・予約方法まとめ
  3. 【JR北海道】新幹線の多目的室の予約条件と予約方法
  4. 【JR東日本】新幹線の多目的室の予約条件と予約方法
  5. 【JR東海】新幹線の多目的室の予約条件と予約方法
  6. 【JR西日本】新幹線の多目的室の予約条件と予約方法
  7. 【JR九州】新幹線の多目的室の予約条件と予約方法
  8. 車いすユーザーが実際に利用してみた感想(東京→名古屋)

新幹線の多目的室とは?料金は? 


新幹線の多目的室とは、身体の不自由な方や、歩行困難な方が優先して利用できる個室です。車両によって違いはありますが、多目的室の中は、ベッドにもなる座席やコンセント、テーブルなどが設置されています。優先利用者がおらず空室の場合は、授乳やおむつ替え、着替え、体調不良の際の休憩の場として使えます。

多目的室は施錠されているため、利用を希望する際は、車掌室か車内で巡回している車掌に声掛けをし、開錠してもらう必要があります。JR東海の車両では多目的室の扉に貼られているQRコードにて車掌を呼び出すことが可能です。なお多目的室利用の際に追加の料金は必要ありません。

新幹線多目的室のまとめ

  • 身体の不自由な方や歩行困難な方が優先
  • 空室の場合は、授乳やおむつ替え、着替え、体調不良の際の休憩所などで利用可能
  • 利用の際は車掌へ声をかけ開錠してもらう
  • 追加料金は不要

次の項目から、鉄道会社ごとの予約条件と予約方法について説明していきます。


多目的室の予約条件・予約方法まとめ


鉄道会社新幹線予約条件予約方法
JR北海道北海道新幹線ハンドル形電動車いすの方みどりの窓口
JR東日本
  • 東北新幹線
  • 上越新幹線
  • 北陸新幹線
    (東京~上越妙高)
  • 山形新幹線
  • 秋田新幹線
  • ハンドル形電動車いすの方
  • 車いす対応座席では利用できない方
  • 特段の事情がある方
  • みどりの窓口
  • JR東日本ご意見承りセンターへの電話
    050-2016-1651
JR東海東海道新幹線ハンドル形電動車いすを使用しているなどで
多目的室を必要とする方
JR西日本
  • 山陽新幹線
  • 北陸新幹線
    (上越妙高〜敦賀)
おからだの不自由な方
JR九州
  • 九州新幹線
  • 西九州新幹線
車いすをご利用の方

【JR北海道】新幹線多目的室の予約条件と予約方法 


JR北海道の北海道新幹線は、新函館北斗~新青森間を走行しています。

【予約条件】

ハンドル形電動車いすを利用の方で、以下の条件を満たす場合に予約が可能です。

    • 寸法:長さ120㎝、幅70㎝程度
    • 直角路性能:幅0.9mの直角路を5回までの切り返しで曲がれる、かつ、幅1mの直角路を切り返しなしで曲がれる
    • 回転性能:1.8m未満の幅で180度の回転ができる

【予約方法】

乗車日の一か月前の10時より駅のみどりの窓口で予約ができます。


 【JR東日本】新幹線多目的室の予約条件・予約方法 


JR東日本の、新幹線多目的室の利用方法に関して説明します。JR東日本の管轄する新幹線の路線は以下の5つです。

  • 東北新幹線
  • 上越新幹線
  • 北陸新幹線(東京~上越妙高)
  • 山形新幹線
  • 秋田新幹線
  • 【予約条件】

多目的室の予約は、ハンドル形電動車いすを利用している方や、車いす対応座席では利用できない方、その他特段の事情がある方のみ可能です。

【予約方法】

多目的室の予約は、みどりの窓口へ足を運ぶ方法「JR東日本ご意見承りセンター(050-2016-1651/9:00~17:00)」へ電話をかける方法の2つです。電話の場合は乗車日や予定時間などを話すと乗車予定の駅までつないでくれます。


 【JR東海】新幹線多目的室の予約条件と予約方法 


JR東海は、東海道新幹線(東京〜新大阪)が該当します。

【予約条件】

ハンドル形電動車いすを使用しているなどで多目的室を必要とする場合に、事前予約が可能です。障害者手帳の提示を求められる場合もありますので準備しておくとよいでしょう。

【予約方法】

JR東海も、みどりの窓口電話をかける方法の2つがあります。電話は、乗車駅ごとに「車いす専用ダイアル」が用意されていますので予約を希望する場合は、乗車予定の駅に電話をかけてください。

<専用ダイアル電話番号>

  • 東京03-3285-0319
  • 品川03-3471-2711
  • 新横浜045-471-8219
  • 小田原0465-22-4443
  • 熱海0557-81-7102
  • 三島055-975-0197
  • 新富士0545-62-0448
  • 静岡054-253-1877
  • 掛川0537-24-1145
  • 浜松053-453-2525
  • 豊橋0532-52-2052
  • 三河安城0566-76-8501
  • 名古屋052-581-2077
  • 岐阜羽島058-391-3045
  • 米原0749-52-6189
  • 京都075-691-1121
  • 新大阪06-6306-2857

【JR西日本】新幹線多目的室の予約条件と予約方法


JR西日本の管轄エリアは、関西・中国地方、北陸の一部です。山陽新幹線と北陸新幹線(上越妙高〜敦賀)が該当します。

【予約条件】

西日本旅客鉄道株式会社が運営する「おでかけネット」内の「おからだの不自由な方」向けのページで、車いす・多目的室の予約を受け付けている旨の記載があります。身体の不自由な方で予約を希望する場合は問い合わせてみるといいでしょう。

【予約方法】

新幹線の多目的室の予約方法はみどりの窓口、電話、Web申請の3つがあります。ハンドル形車椅子を利用している方や、車いす複数人で利用する場合はWebフォームでは予約できませんので、窓口かサポートダイヤルに電話してください。


【JR九州】新幹線多目的室の予約条件と予約方法


JR九州が管轄している路線は、九州新幹線と西九州新幹線です。

【予約条件】

JR九州のHPでは「車いすをご利用の方」向けのページに、車いす専用座席・多目的室の予約が可能と記載されています。車いすを利用している方で予約を希望する場合は問い合わせてみるといいでしょう。

【予約方法】

JR九州の予約もみどりの窓口、電話、Web申請の3通りあります。ハンドル形電動車いすやストレッチャーを利用されている方、複数人で利用を希望する場合はWebでの申し込みができないので直接窓口へ足を運びましょう。


車いすユーザーが実際に利用してみた感想(東京→名古屋)


最後に車いすユーザーが実際に新幹線の多目的室を利用した感想を紹介します。車いすユーザーならではの視点で紹介しておりますので、ぜひ参考にしてみてください。

【発車までゆっくり過ごせる東京駅】

東京駅は複雑で不安な方もいると思いますが、道が分からなくても、駅員さんが車いすを押して改札口まで案内してくれます。近くには車いす専用の待機場や多目的トイレもあり、発車までゆっくり過ごせます。

ガラス張りの自動ドアで区切られた、車いす待合室

▲車イス待合室

待合室の中。広い空間で、壁際に椅子が設置されている
多目的トイレ入口の写真多目的トイレの内部。カーテンの仕切りやオストメイト流しもある。
トイレ内部、洗面台の写真入口ドアはボタン式で、上の緑のボタンで開き、下の赤のボタンで閉じる

発車15分前になると駅員さんが、迎えに来て一緒にホームまで行ってくれます。

11号車から乗車しました。(乗車位置は、車両編成によって異なります)
新幹線に乗るときは、駅員さんがスロープをだしてくれます。
筆者が新幹線に乗車する様子。足元にスロープが設置されている。
 

【車いすユーザー多目的室の利用】

新幹線の扉が開いたら、すぐ多目的室があります。室内入って右側に介助用の折り畳み椅子がありますが、壁に固定されていて自由に動かせないので要注意!多目的室を出てすぐ隣には多目的トイレもあるため、とても助かります。
社内に入ってすぐ右にある、半円柱状の多目的室多目的室のドアを開けて、中に入っていく様子多目的室の内部。窓際にはテーブルと自動ドア開閉ボタンがあり、部屋の至る所に手すりがついている。▲室内は、車いす1台と介助者用の折り畳み椅子とソファベッドの広さ

上が開ける、下が閉めるボタン

▲内側に自動ドアの開閉ボタンがあります

自動ドアの写真。ドアの開閉ボタンは側面の壁にあります。ドアを閉めた後は必ずカギをかけてくださいという注意書きがある。

▲ドアを閉めたら鍵も施錠します

※多目的室の隣に多目的トイレがありますが新幹線が動き出したら、車いすがうまく操作できないので、トイレなどの移動の際は介助者に車いすを押してもらったほうがよいです。

多目的室の隣に多目的トイレがあるという位置関係がわかる写真

【ベッドにするには】
車いすの人が1人で操作するのは大変厳しいので、介助者の方に操作してもらうことをオススメします。
枕の上に、リクライニングやベッドの操作方法が貼ってありますので、参考にしてください。
ベッドにすると、180cmある介助者でもラクに横になれます。
※折り畳みのできない車いすだと、ベッドにすると置くスペースがないので注意が必要
①ボタンを押して枕を引き抜く。②レバーAを上げて座布団をスライドさせる。③レバーABを同時に上げてロックを解除し、ハンドルを持って背もたれを倒してベッドにする。ベッドの右側の壁、手すりのすぐ下に連絡用ブザー、さらにその下、床近くに充電コンセント▲黄枠:連絡用ブザー(非常時のときは、助かります)、赤枠:充電コンセント(スマホなど充電がきれても安心)

【テーブルの出し方】
テーブルがあるのはご存知でしたか?
設置方法は簡単ですが、車いすの方がテーブルを取り出すのはかなり大変なので、介助者の方に設置してもらったほうがいいです。
テーブルは、黄枠のソファー窓側下にあり赤枠にガチャってはめるだけ!
テーブルはソファー左側、壁との隙間にあり、窓の下の出っ張りに穴が二つ付いている部分に設置するテーブルを設置した状態▲テーブルの上に重い物を置くと、はずれる場合があるので要注意

【多目的トイレ】
入口ドアがカーブした多目的トイレ。自動ドアの開閉ボタンは上が開く、下が閉じる多目的トイレの内部。ベビーベッドや連絡用ブザーが設置されている
いかがでしたでしょうか?
車いすユーザーにとって、長時間の移動は少し苦痛ですよね。
利用を希望する場合は相談してみるといいでしょう。駅員さんは、新幹線の乗降だけでなく、在来線の乗り継ぎまでサポートしてくれるので、初めて利用する方でも安心できますよ。

文:高瀬翔太(頸椎損傷)、写真:山本秀一、編集:高山


JR:みどりの窓口がある駅(外部リンク)