日本からの海外旅行先として人気の台湾。「バリアフリー化が進んでいると聞くけれど、実際のところはどうなの?」と気になっている車いすユーザーも多いと思います。今回は、実際の車いすユーザーが台湾旅行で感じた「台湾のバリアフリー事情」を紹介します。これから旅行を計画している方はぜひ参考にしてください!
<目次>
- 車いすで台湾は楽しめる?台湾バリアフリーの全体的な印象
- 【台北】観光地のバリアフリー評価
- 【台湾】地下鉄・福祉タクシーなどの利用について
- 車いすでも楽しめる台湾グルメ
- 【ホテル】ロイヤル・ニッコータイペイのバリアフリー
車いすで台湾は楽しめる?台湾バリアフリーの全体的な印象

車いすで台湾は楽しめるのか?その答えは「Yes」です。場所を選べば、施設などのハード面、情報・サポートなどのソフト面、両方において車いすでも十分楽しめると思います。台湾の首都、台北を旅行した筆者が感じた【日本と同じ意識で大丈夫な点、注意したほうがいい点】を紹介します。(2024年時の情報です)
【安心な点】
・有名な観光地の多くがバリアフリー対応。 バリアフリートイレ(多功能廁所)も整備されており、安心して利用できます。
・台北中心部の歩道は基本的にスロープ完備。 「騎楼(きろう/チーロウ)」と呼ばれる、建物が歩道にせり出した構造の屋根があるため、雨の日でも傘を差さずに移動できる場所が多くあります。
・車いすに対する周囲の理解と親切心。 街中で車いすを見かけることも多く、現地の人が温かくサポートしてくれる場面が多々あります。
・MRT(地下鉄)の利便性が抜群。 台北市内の主要な移動手段であるMRTは、ほぼ全ての駅にエレベーターが設置されており、スムーズに移動できます。

騎楼。上階部分がせり出すことにより屋根の役割に。道の境目はスロープになっている。

地下鉄。電車とホームの隙間が少ないので快適
- 【注意したほうがいい点】
・基本的にコンビニでトイレが借りられない。バリアフリートイレもほとんど設置されていません。
・日本だとホテルのロビーにバリアフリートイレがある場合が多いが、泊まったホテルにはなかったので必要な人は確認すべき。
・店の入り口に段差がある場合が多いので入れる店が限られる。
・空港で車いすを預ける手続きがとても時間がかかったので早めに空港に行く必要がある。
注意点をいくつか挙げましたが日本より不便だと感じたのは「トイレ」に関してです。観光地に行く場合はそこにありますが、街歩きのときは、コンビニでのトイレ利用ができないためトイレ探しに苦戦しました。デパートや地下鉄の駅にはあるため、位置を把握しておくと安心です。備え付けのトイレットペーパーがない場合もあるのでティッシュも持っておきましょう。
次の段落からは筆者が実際訪れた観光地や飲食店、移動手段などのバリアフリー情報を紹介します。
【台北】観光地のバリアフリー評価
- 筆者が台湾で訪れたのは【寧夏夜市/国立故宮博物院/龍山寺/中正紀念堂/台湾シャンプー】の5スポットです。それぞれの「車いす快適度」を5段階で評価しておりますので参考にしてみてください。
<寧夏夜市(ねいかよいち)>


台湾観光といえば夜市。最大規模の士林夜市よりも「食べ物が美味しい」と地元民に人気の寧夏夜市へ行きました。道自体はフラットですが、道幅が狭いうえに行列が激しいです。行列を避けるための回避ルートに段差があったり、人混みで進みにくかったりと、車いすの方は疲れるかもしれません。寧夏夜市近辺のバリアフリートイレは蓬萊國小地下停車場の中にあります。
<国立故宮博物院>


歴代中国皇帝のコレクションを収蔵する、世界四大博物館。台湾を代表する観光地というだけあり、トイレ、スロープ、エレベーターなどバリアフリー設備もしっかり整っています。ただ、タクシー降り場から建物入り口までが長い上り坂になっているので、介助者がいたほうが安心です。
<龍山寺(ロンシャンスー)>


100以上の神様が祀られているお寺で、台湾最強のパワースポット。ところどころ段差がありますが、段差のそばには簡易スロープが置いてあります。都度設置して移動する必要があるので介助者が必要ですが、平坦なので比較的苦労なくまわれ、バリアフリートイレもあります。MRT龍山寺駅1番出口から徒歩1分。
<国立中正紀念堂>


中華民国の元総統蒋介石を記念して建てられた中正紀念堂。巨大な白亜の本堂がそびえ立つ台北のシンボルで、台湾の三大観光地の一つです。トイレやエレベーターなど、バリアフリー設備は整っており、お土産屋さんやカフェも本堂内にあります。敷地内は広いですが、整備されて平坦なので快適に回ることができます。かつては6.3メートルある蒋介石の像の前で行われる衛兵交代式が有名でしたが、2024年7月からは屋外での儀仗隊パレードに変更となりました。
<台湾シャンプー>


台湾に旅行したらぜひ体験したいのが台湾シャンプー。座ったまま行うのが特徴で、モコモコの泡で髪を高く立てるパフォーマンスと、本格的な首肩マッサージが楽しめます。エレベーターの有無や入り口の段差の状況がインターネットでは探しきれなかったのでホテルに相談。車いすでもオッケーな「青絲舫美容院」を紹介してもらいました。車いすのままでシャンプーしてもらえますが、洗い流すシャンプー台までは1段段差があるので介助者が必要です。日本語メニューもありますし、店員の方もとても親切でした。
【台湾】地下鉄・福祉タクシーなどの利用について
台湾旅行の移動に関して紹介します。

<台湾の歩道>
最初に説明したように台湾の街には「騎楼」と呼ばれる建物上部がせり出した屋根があり、雨や日差しを防いでくれます。台北の中心地はスロープも整備されているので快適に移動ができます。
<地下鉄>
台湾の地下鉄(MRT)は、車いすユーザーにとって世界トップクラスの使いやすさです。ほぼ全駅にエレベーターが完備され、ホームと車両の隙間や段差も極めて小さいため、多くの場合スロープなしで自力乗降が可能です。
<福祉タクシー>
流しのタクシーで車いす対応車を見つけるのは難しいため、ホテル経由で「福祉タクシーの1日貸切」を手配しました。ドライバーの方とは翻訳アプリでのやり取りでしたが、非常に親切で安心して観光を楽しめました。(ルート例:龍山寺→中正紀念堂→永康街→故宮博物院)
<貸し切りチャーター車>
桃園国際空港から市内までは地下鉄や乗り合いバスなどの手段がありますが、車いす、子連れということもあり、チャータータクシーの手配をKKdayのサイトで行いました。備考欄に車いす利用であることを伝えていたので、問題なくスムーズに利用できました。
車いすでも楽しめる台湾グルメ
次に、車いすでも利用できる飲食店を紹介します。
<金品茶楼>

老舗茶行「金品茶集」がプロデュースする、台北・中山地区の小籠包の名店です。お茶のプロが厳選した香り高い本格的な台湾茶を、熟練の職人が作る絶品小籠包と一緒に楽しめるのが最大の魅力。店内は広々としており、通路も十分に確保されているため、車いすでもゆったりと過ごせます。
<四海豆漿大王>

台北駅近くで台湾式朝食が食べられる四海豆漿大王。塩味の豆乳スープ鹹豆漿(シェントウジャン)など台湾らしいメニューが多くあり、観光客だけでなく地元民からも愛される人気店です。店の入り口から店内までの通路は狭く、車いすで通れるか心配しましたが、お店の方が荷物をどかしてくれたり、他のお客さんも寄ってくれたりと、車いすでも大丈夫でした。
<思慕昔>

思慕昔は、永康街に位置する台北屈指のマンゴーかき氷の名店です。ふわふわの雪花氷に濃厚なマンゴーがたっぷりのった一皿は、行列に並んででも食べる価値があります。1号店(本館)は入り口に段差があり混雑も激しいですが、近くの「2号店」はフラットな造りでスペースも広く、車いすでもスムーズに入店可能です。
【ホテル】ロイヤル・ニッコー・タイペイのバリアフリー
ホテルメトロポリタンプレミア台北やリージェント台北など、ユニバーサルルームのあるホテルはいくつもありますが、今回の台湾旅行では、ホテル・ロイヤル・ニッコー・タイペイの通常客室を利用しました。日本語が通じる、寧夏夜市が徒歩圏内という理由で選んだのですが、結果として非常に過ごしやすかったです。よかった点は以下の通りです。
- ・浴室やトイレに段差がない
・洗面台の下に空間があり、車いすでも利用しやすい
・日本語が通じる。日本人旅行客が多く安心感がある
・福祉タクシーや台湾シャンプーの予約を行ってくれた
非常に快適に過ごせましたが、老舗のホテルなので、入り口のスロープの傾斜が急であること、ホテルのロビー階にバリアフリートイレがないことは注意が必要です。
公式HP:ホテル・ロイヤル・ニッコー・タイペイ
まとめ
バリアフリー化が進んでいる台湾は、車いすでも十分楽しめる国でした。段差や混雑、トイレなど大変な面もありますが、設備の充実と現地の人の温かな助けが旅を支えてくれます。ぜひ台湾旅を楽しんでください!
