「目が不自由で本が読めない」「発達障がいや学習障がい(LD)があって文字を追うのが苦手」「体調や障がいで図書館に行くのが難しい」……。

そんな悩みをお持ちの方やそのご家族に、ぜひ知ってほしいサービスがあります。全国の公立図書館では、通常の読書が難しい方のための無料サポートを行っています。東京都練馬区の事例をもとに、役立つ「本のかたち」や、あなたの街での探し方をご紹介します!


1. 活字が苦手でも大丈夫!選べる「特別な本」

練馬区立図書館では普通の紙の本だけでなく、あなたの読みやすいスタイルに合わせて、以下のような資料の貸出やサービスを無料で受けることができます。

マルチメディアデイジー(★イチオシ!)

 

マルチメディアデイジーをイメージしたCDのイラスト

画像はイメージです

 

マルチメディアデイジー(Multimedia DAISY)とは、紙の本を読むことが難しい人のために作られた、「耳で聴きながら目でも読める」デジタル図書の国際標準規格です。
DAISY(デイジー)は「Digital Accessible Information System(アクセシブルな情報システム)」の略で、元々は視覚障害者向けの音声図書として開発されました。それをさらに進化させ、音声・テキスト・画像を完全に同期(シンクロ)させて同時に再生できるようにしたものがマルチメディアデイジーです。

パソコンで音声を聞きながら、絵や文字を見ることができます。
読んでいる部分がハイライト表示されるので、文字が苦手な方でも、どこを読んでいるかわかります。また、文字の大きさやスピード、文字の背景の色を変えることができるので、ご自身にあった読み方をすることができます。
視覚障がいの他に、学習障がい、知的障がい、精神障がいの方にとっても有効であることが国際的に広く認められています。
マルチメディアデイジーを再生するには、専用のソフトが必要です。「AMIS(アミ)」というフリーソフトを使ってパソコンで再生するほか、「プレクストーク」という音声再生用の機器もあります。

録音図書・雑誌

活字の図書・雑誌を音訳したもので、カセットテープとデイジーの2種類があります。
デイジーは、CDに録音された図書です。本をパラパラとめくるように、章や節、ページを自由に検索することができます。再生には、専用の再生機やソフトが必要です

大活字本(だいかつじぼん)

文字が大きく読みやすい活字で書かれた本です。
弱視の方、高齢の方で小さな文字が読みづらい方にもご利用いただけます。

図書館での「対面朗読」

視覚障がい等のある方には、図書館の本や新聞・雑誌などを、図書館の対面朗読室でお読みします。
ご利用は1回2時間で1日2回までに限ります。これを超えてのご利用は、図書館にご相談ください。

2. 練馬区の例にみる、うれしい「おうちサポート」

練馬区立図書館の「障がいのある方へのサービス」では、お出かけが難しい方でも読書を楽しめる仕組みが整っています。

家まで届く!「郵送での貸出」

登録すると、資料をご自宅まで郵送してくれます(貸出・予約は19点まで、期間はたっぷり30日間)。外に出るのが難しい日でも安心です。

スマホや郵送でできる「利用登録」

障害者手帳などを持って事前に登録が必要ですが、来館が難しい場合は郵送、FAX、スマホ(電子申請)、または代理の人に窓口に行ってもらうだけで登録が可能です。

💡 手帳がなくても諦めないで!

「手帳は持っていないけれど、障がいや病気で読書が難しい」「グレーゾーンと言われている」という場合でも、読書に困難を抱えている場合は相談に乗ってくれるケースがあります。練馬区立図書館では「光が丘図書館」が相談窓口になっています。

3. あなたの街の図書館での探し方・検索のコツ

「これは練馬区だけのサービスでしょ?」と思わなくて大丈夫!全国の多くの自治体でも、同じような障がい者サービス(バリアフリーサービス)を行っています。

ネットで検索するときは、以下のキーワードを入力してみてください。

  • 「〇〇市(区) 図書館 障がい者サービス」
  • 「〇〇市(区) 図書館 バリアフリー」
  • 「〇〇市(区) 図書館 デイジー」

🔍 ココをチェック!

  • 「対象者」を見る:手帳の有無だけでなく、「活字を読むのが難しい方」と広く書かれているか確認してみましょう。
  • 「サピエ図書館」の文字を探す:このネットワークに加盟している図書館なら、全国の膨大な録音図書データからお取り寄せして借りることができます。
  • まずは電話やメールで聞いてみる:ホームページで迷ったら、地域の大きめの図書館(中央図書館など)へ「発達障がい(視覚障がい)があって普通の読書が難しいのですが、利用できるサービスはありますか?」と気軽に問い合わせてみてください。

まとめ

文字を「目で追う」ことだけが読書ではありません。耳で聴く、手で触る、画面を見ながら理解する。あなたに合った方法が見つかれば、本の世界は一気に広がります。

「図書館に行くのはハードルが高いな」と感じている方も、ぜひ一度、地域の図書館のホームページをチェックしたり、窓口で相談したりしてみてくださいね。


文:神戸 剛(脊髄損傷)