デジタル化が進み仕事量もだいぶ減ってきた 今、
この印刷機が止まることがあるのかと思うくらい
昔は、ずっとまわり続けていた。
朝から晩まで止まることはなく。残業、残業で滅
多に休みは取れなかったが、その数少ないAお父
さんの休みがとれてA家族が久しぶりの休みで旅
行に行った。
その帰り道に悲劇はおきた。大型のトラックに挟
まれまだ幼かった女の子を残して事故が父親とな
る当社のA社員と他の家族の命を奪った。
月日は流れた。。。。。
印刷会社と出版社との恒例の印刷工場見学が
例年どおり
春に始まった。
そこで熱心に印刷説明員の説明を聞き入る出版社の女性社員がいた。時には質問もし、、、。
そこで説明員が聞いた、印刷にご興味があるのですか?
「実は、他界した私の父がここで働いてたもんで、私は出版社に入り、父の職場を見るのが夢でした。」
「え?あなたのお父さんの名前は?」
「Aです」
そうです。あの時一人生き残った幼い女の子が難関の出版社の試験をパスし、今、ここに父親の職場を見たいという思いで立っていたのです。
説明員は「Aさんの娘さんが来てます」と涙なが
らに事務所に飛び込み大騒ぎでみんなに知らせた。
職場の全員が集まり涙を流した。
彼女はお父さんの職場を見るという夢をかなえ
そしてお父さんはみんなに愛されていたのだと感
じた幸せな一日だったと思う!
文/大悟 絵/しんパパ