サイトリリースにむけての準備で最後まで苦労したのがパンク修理の自転車屋さん探しであった。
「なんで掲載ダメなんだ?」と、エリーに聞くと、
「パンク修理をするには、一度車いすから椅子かに乗り移らないとパンクの修理はできないので、乗り移る際に車いす利用者の身に何かあったら嫌なんじゃないですか」エリーが言う。
「そんなバカな事あるか、そこに困っている人がいるんだぞ!」と、少し声を荒げて言ってしまった。
「でもそんなもんですよ」と、エリーが何度も経験したのかそんな答えが返ってくる。
「あきらめるな!俺が直談判してやる」
翌日、自転車屋さんを訪ねて、エリーとしんパパと後輩のY介で現地に行った。
自転車屋さんに近づくと…
「先輩、前回聞いたとき、車輪の種類とか、いろいろあるみたいっす。熟練したプロの職人さんなんで、礼儀大事っす!厳しい方かもしれないですしね!」と、Y介が言う。
でも店に近づくと、本日は定休日ですと貼り紙があった。。。(おー、少しホッとする)
「どうしますか先輩」とすかさずY介が言う。
「つ、次だ、他の店探すぞ!」と4人でぷらぷらする。
少し行くと大きな自転車屋さんの看板があった。
近くにいくとY介が言った「厳しいかもしれない職人さん」の言葉が頭をよぎり躊躇していると、私としんパパとY介を横目に、
エリーがスッと近づき
「空気入れ借りていいですかー」
と声をかけた。
接客中の定員さんが慌てて出てきて
ニコニコしながら
「私がやりますよ」
と空気をいれてくれた。
チャンスと思い
「パンクしたときもお願いできるのですか?」
と聞くと
「もちろんですよ」と言ってくれた
ここでたたみかけてらくゆくのポスターを見せ
「このサイトに店名を載せていいですか」
と聞くと
「どうぞどうぞ」と言ってくれた。
でも、「あ、そうですね一応本社の広報に連絡してください。私はいいのですが。私の名前をお伝え頂いていいので。」
出たっ…本社広報っ… このパターン… だいたいこのパターン… 断られる…の?
が、しかしだ、そこの広報は違った。
「どうぞ、どうぞ、他にもいくつか店ありますので全部のせてください」
と、本当にうれしい言葉が返ってきた。
嬉しさのあまり帰りにレモネードを3人におごった。
「美味しい、レモネードってこんなに美味しいんですね」
とニコニコしながら、いとしのエリーが微笑んだ。
文/大悟 絵/しんパパ