国交省は、昨年12月に改正した基本方針で。障がい者以外の人が可能な限り多機能トイレの利用を控え、高齢者や障がい者に譲るなど適正な配慮をするよう国民に求める内容を盛り込みました

 その中に、案内表示に関する項目を新たに追加。「多機能」「多目的」など、設備が必要ない人の利用を促す名前をつけないよう、「バリアフリートイレ」と名称を変えることを求めています。

 

 名称変更のひとつの要因は、ほかのトイレでも間に合うはずの人が、使っているケースが多く報告されていることです。本来、多目的トイレは、車いす利用者やオストメイト(人工肛門などを使う人)、子連れの利用者に対応したトイレです。

 しかし、通常のトイレを使える人が、一般トイレが混んでいたから、高齢者は洋式便器がある・手すりが付いているなどが理由、また、若い人が多目的トイレで化粧や着替えをすることに利用……。障がい者以外が使うことで、車いす利用者が、トイレ利用を待たされることが多くなりました。この解決策として、多目的トイレの本来の目的をはっきりさせるために、名称を「バリアフリートイレ」に変更することを求めたわけです。

 確かに多目的トイレよりは、バリアフリートイレの方がわかりやすいですね。しかし、適切な名称をつけても、正しく理解し、利用されなければ意味がありません。

 トイレの名前は、なんでもいいのかもしれません。名前ではなく、利用者のモラルに問題があるともいえます。大切なのは、なぜバリアフリートイレがあるのかです。モラルの欠如や無知によって、使うべき人が利用できないのなら、その必要性を知ること、知らせることが大切だと思います。ひとつの方法は、こどもたちの学校教育にトイレ教育を導入することです。誰が、どのような理由でこのトイレを必要としているのかをしっかり学べば、大人になりバリアフリートイレを使用したとき、罪悪感としゅう恥心がわき上がるはずです。

いろいろな場面でバリアフリートイレの目的を、しっかり情報発信することも大切ですね。

 

バリアフリートイレの利用のしかたチラシです
〔国土交通省〕