週刊連載エッセー (12月20日)

おつき合いをどこまでするか、どこからしないか悩むことも多いです。私の母は、深川生まれの江戸っ子で「ふんどしはずしても、義理ははずしません」という信念の持ち主。
「おつき合いはね。ない袖は振れないけど、ある袖を振らないのはケチというものです」と、やせがまんを言って、生涯、ちぎれそうな袖を振り続けていました。
私の考えは、ずっと現実的です。これは義理でつき合うのか、自分がそうしたいからするのかを考えます。すると、けっこう、義理の関係はそぎ落とされていきます。
今、周りに、この人と会いたい、話したい、ふれ合いたい人が残っている気がします。

おつき合いは、できるだけシンプルに。快適です。
 


・イラスト/いなだ 牧子

著者・並木 きょう子/東京都在住。フリーライター。人の生き方を独特の視点で描く人物ルポ、軽妙なエッセイ執筆。著書にエッセイ「ごちゃまぜ同居行進曲/主婦の友社刊(テレビドラマ化)」「300字の小さな幸せレシピ/アップオン刊」ほか多数。
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※新しいエッセイは毎週月曜日に掲載します。
※8月23日号 長男が、大人の背丈になったとき
※8月30日号 食卓を片付けながら
※9月  6日号 庭のブドウの樹
※9月13日号 ある年の初秋、結婚披露宴で
※10月4日号 多摩川の鉄橋で
※10月11日号 〝新米の力〟
※10月18日号 今夜の君は美しい!
※10月25日 号〝湯気マジック〟
※11月 1日号 日本のお母さんの手
※11月 8日号   紅葉を楽しみに
※11月 15日号 花の〝花道〟に
※11月29日号  ボージョレ・ヌーボーの季節
※12月  6日号  年の瀬に向かって
※12月13日 母の口紅