紫陽花が咲く頃ころになると、

学年が一つ上で大人しい彼女が、

旅立ったことを いつも思い出します。

 


ワタシは、学生時代を寄宿舎で過ごしました。

ひと部屋に3・4人で、楽しく? 毎日を過ごしていました。

ある日の土日、帰省をした彼女。

「具合が悪くなり、しばらく帰って来ないよ」と聞かされ

その後、亡くなったと聞かされました。

2時間くらい何が何だかわかりませんでした。

ただ私がやったことは、彼女の机の上に、紫陽花を置いたこと。

彼女の担当をしていたスタッフに「なにしてるの!」と叱られました。

寄宿舎には、お金もお店もましてや菊の花もない…。

中庭に綺麗に咲いている紫陽花の花を見つけ

紙切りバサミで切り、せめてもの精一杯の弔いをしました。

目にいっぱいの涙をためてるワタシ。

悔しい思いと淋しい想いでいっぱいでした…。

紫陽花が咲くと憶い出す…ワタシの記憶中の1ページ。

文・写真/ワカメ