9月11日深夜フジテレビの「S-PARK」を何気なく見ていたら
「感動! 涙・涙・涙!」の物語(ドキュメンタリー)を放送していたので紹介します。
今年の奈良県大会決勝(7月28日)は「天理×生駒」の対決になりましたが、決勝戦前日、生駒野球部に新型コロナウイルス感染による体調不良者が続出。ベンチ入りメンバー20人のうち12人を入れ替えざるをえなくなりました。初めてベンチ入りした選手が11名。先発は公式戦で登板したことのない1年生。試合は0-21で天理に完敗となりました。
試合後、天理ナインはマウンドに集まって優勝を喜ぶことをしませんでした。ベストメンバーで臨めなかった相手校に配慮。9回2死で天理・戸井主将が内野手をマウンドに集めて「試合後に喜ぶのはやめとこう」と伝え、静かな幕切れを迎えました。試合後、天理の中村監督は試合に出られなかった生駒の3年生を思い、練習試合開催を提案していました。
そして9月11日、7回制の練習試合が開催されました。試合は2-3の天理リードで迎えた7回2死、再び天理内野陣がマウンドに集まり戸井主将が「全員で思い切り喜ぼう!」と声をかけました。生駒の最後の打者の打球を中堅手がキャッチしたあと、天理ナインは全員が人差し指を掲げてマウンドへ。そこに、三塁側から生駒ナインも加わりました。全員で抱き合い、喜び合い、思いを1つに。
試合後は両校で記念撮影。
生駒の北野監督は「天理高校に感謝しかありません。最高の試合になりました」。主将の熊田くんは「最後の試合は3年生全員で笑って終わろうと思っていた。それができてよかった」。
そして天理の中村監督は「勝ち負けはついたけど、野球っていいなっていうゲームを(両チームが)してくれた」。戸井主将は「今日は全力勝負ができたので、勝ったときはマウンドに集まろうと思った。生駒の選手も来てくれてうれしかった」と語りました。
病魔に苦しんだ夏の甲子園大会がようやく幕をおろしました。
文:にゃん2/イラスト:しんちゃんパパ
※生駒高校は公立高校で「打倒!私学」を目標に準決勝では智辯学園を破って決勝に臨みました。
(参考文献:朝日新聞、日刊スポーツ)