外出先でのピンチもスマホで解決!支援者とのマッチングアプリ「袖縁」とは?

「袖振り合うも他生(たしょう)の縁」という言葉をご存じですか? 道ですれ違う、袖が触れ合っただけの知らない人とも、前世からの縁によるもの、という意味を表すことわざです。

この言葉を元に、「出会った縁を大切にしたい」という思いから誕生したアプリが「袖縁(そでえん)」。困っている要配慮者と、サポートする支援者をマッチングするアプリです。

知らない街や駅を訪れた時、「トイレの場所が分からない」「段差があって目的地へ行けない」といったピンチを経験した車いすユーザーは、少なくないはず。そんな時に役立つのが、「袖縁」なのです。
 

■依頼内容と配慮事項を送信するだけで、事業者のサポートが受けられる!

アプリの仕組みは、とてもシンプル。要配慮者がアプリで「してほしいこと」を送信し、受け取った支援者が、配慮事項を把握した上で対応します。登録している支援者は、個人ではなく公共施設などの店舗や事業者。相手は施設の従業員という立場で接してくれるので、身元が分かり安心です。

要配慮者が選べる「してほしいこと」には、「訪問予約」「出迎え依頼」「手助け依頼」「トイレ案内」といった支援内容があります。例えば、「店舗に行く前に道に段差があって困った…」というケースなら、「出迎え依頼」を送信すれば、店舗の従業員がテレビ電話を通じて道案内をし、スムーズな入店をサポートしてくれます。

また、依頼者は障がいの特性など配慮事項や好みの対応を「あんちょこ/トリセツ」と呼ばれるシートに記載できます。支援者は依頼内容とともに事前に確認できるので、対応時に説明する必要がなく、お互いが円滑に、そして快適に接することができるのです。

外出先で困った時に、声をかけたくてもなかなかかけづらい、適切な対応をしてもらいたいけれど伝えにくい、といった支援依頼の“心のバリア”も、「袖縁」なら超えられそう。スマホ1台で素早くサポートをお願いできれば、お出かけもより楽しくなりそうですよね。
 

■1つの縁が要配慮者と支援者の“心のバリア”を解消するきっかけに

「袖縁」の始まりは、代表の友枝敦さんが同僚から受けた「視覚障がいの知人が駅が怖いという」との一言から。アプリを通じて要配慮者と接して体験を重ね、どんな人でも自然に配慮ができるような社会を作っていきたいという思いから、開発が始まりました。

「袖縁」なら、支援する人の“心のバリア”も超えることができます。1つのきっかけでできた縁から、お互いが楽しく前向きに生きられる社会を作れるのは、素敵ですよね。

「袖縁」は、車いすユーザーや視覚障がい者、聴覚障がい者などを対象に、何度も体験会や実証実験を重ね、10月19日~21日に開催される「産業交流展2022」にて、ついにβ版アプリが展示される予定。また、東京都の「Tokyo Contents/Solution Business Award 2022」を受賞対象者として選定され、同展示会メインステージでの授賞式にて発表されますので期待しています。

興味のある方は、ぜひホームページや動画にて、アプリ機能の詳細をチェックしてみてください。
 

株式会社 袖縁 https://www.sode-en.net/
紹介動画 https://www.youtube.com/watch?v=23xWTwBex7A

 

イラスト:袖縁
制  作:らくゆく & Co-Co Life☆女子部  関 由佳