※提携サイト「Co-Co Life☆女子部」からの転載記事になります。
目次
1 ◆今回のギモン
2 生活保護受給の条件と制限に注意
3 これで解決!
◆今回のギモン
車いすでラッシュの通勤ができず、在宅でフリーランスです。今後体調を崩してしまったとき、障害年金だけでは足りないので不安です。同時に生活保護を受給できますか?
生活保護受給の条件と制限に注意
まず、生活保護と障害年金の違いを明確にしておきましょう。
生活保護は最低生活の保障と自立を促すことを目的とします。受給条件としては、資産を持っていない、働けない、働いても必要な生活費が得られない、家族や親族から援助を受けられないなどの理由で、収入額が最低生活費以下の場合です。
しかし、生活保護の受給中には制限があります。収入は、個人ではなく世帯が基準。世帯収入が最低生活費を超えていると受給はできません。また、受診できる病院が特定されるため、通院先の変更が必要となる場合があります。しかも、資産価値のある不動産や車は原則保有が認められないので、もし車がないと行けない病院に転院といった事態になると、受給が厳しくなるかもしれません。
一方、障害年金は、病気やケガによる障がいで日常生活や仕事が制限されている方に支給する、所得保障。受給額は加入していた年金制度や障害等級によって決定されます。収入は個人が基準で、基本的に制限はなく、仕事をしていても即支給停止になることはありません。また通院先の制限もありませんので自由に病院を選べますし、不動産や車を所有しても問題ありません。
さて、本題の併給についてですが、障害年金の金額が生活保護より高いときは、生活保護は支給されません。逆に生活保護の金額の方が高いときは、生活保護から障害年金の受給額を差し引いた額が支給されます。単純に支給金額がプラスになるわけではないので、注意しましょう。
不正受給などの実態から、厳しい条件や制限がありますが、生活保護は憲法で保障された権利。どうしても生活を維持できなくなったときは、市区町村窓口に相談してみましょう。
これで解決!
条件や制限を理解した上で、どうしても困ったら生活保護も視野に入れて。
答えてくれたのはこの人!
有賀 智奈美(あるが・ちなみ)
偽性軟骨無形成症。社会保険労務士で、2級ファイナンシャル・プランニング技能士。2012年から年金事務所にて年金相談を専門。2020年から障害年金に特化した社労士として活動中。