耳のきこえない・きこえにくい選手のための国際スポーツ大会「デフリンピック」が2025年11月に日本で初めて開かれます。その1年前となる11月15日(金)、16日(土)に、東京都江東区にあるアーバンドック ららぽーと豊洲 中庭シーサイドデッキにて開催されたTOKYO FORWARD 2025「東京 2025デフリンピック 1 Year To Go!」11月15日(金)のイベントへ、「らくゆく」編集スタッフが取材に行ってきました。
目次
1)東京2025デフリンピック1Year To Go!
セレモニー第1部
2)東京2025デフリンピック1Year To Go!
セレモニー第2部
3)手話アートとダンスで全力応援
4)きこえないってどんなこと?川俣先生&茨選手と学ぼう!
デフリンピック
5)陸上レジェンド・朝原宣治が迫る音のない闘い
~届けよう!新しい応援スタイル~
6)みんな集まれ!デフリンピックを応援しよう♪
取材当日の朝会場へ到着。受付を終える前から雨もあがりセレモニー会場では、十数台ほどのムービーカメラ撮影人たちや、各メディア取材人がセレモニーがはじまるのを今か今かと待ちわびていました。
センターエントランスイベントスペースから見た会場となる中庭シーサイドデッキ | ムービーカメラ撮影位置での取材人 |
みるステージ | みるステージ下の横断幕 |
セレモニーステージ両脇の大型モニター下には、イベントの音声が字幕で表示されていました。また、手話が得意なデジタルヒューマンKIKIさんのご挨拶など、東京2025デフリンピック応援アンバサダーとしてイベントを盛り上げてくれました。
ステージ両脇の大型モニター下部には字幕があります | 手話が得意なデジタルヒューマンKIKI(きき)さん |
セレモニー第1部
セレモニー第1部ゲストのみなさんが登壇されました
さぁ~いよいよセレモニー第1部がはじまりステージにむかって左側中央前方席より、東京都 栗岡副知事、一般財団法人全日本ろうあ連盟 中西副理事長、スポーツ庁 室伏長官、後方中央席より、応援アンバサダーの元短距離走日本代表 浅原さん、日本財団ろう者支援事業コーディネート担当 川俣さん、俳優 長濱さん、ステージにむかって右側中央前方席より、デフアスリート デフ陸上 岡田選手、デフ卓球 亀澤選手、後方中央席より、デフ水泳 茨選手、デフ陸上 山田選手が登壇され、ご紹介からはじまりました。
前方席左側より、 室伏 広治(むろふし こうじ)<スポーツ庁長官> 中西 久美子(なかにし くみこ)<一般財団法人全日本ろうあ連盟副理事長> 栗岡 祥一(くりおか しょういち)<東京都副知事> 後方席左側より、 応援アンバサダー 朝原 宣治(あさはら のぶはる)<元短距離走日本代表> 川俣 郁美(かわまた いくみ)<日本財団職員 アジアのろう者支援事業コーディネート担当> 長濱 ねる(ながはま ねる)<俳優> | 前方席左側より、 岡田海緒(おかだ みお)選手<デフ陸上> 亀澤理穂(かめざわ りほ)選手<デフ卓球> 後方席左側より、 茨 隆太郎(いばら りゅうたろう)選手<デフ水泳> 山田真樹(やまだ まき)選手<デフ陸上> |
次に、主催者を代表して 東京都副都知事、共催者を代表して、(一財)全日本ろうあ連盟副理事長、スポーツ庁長官のご挨拶へと進んでいきました。
東京都副知事 | (一財)全日本ろうあ連盟副理事長 | スポーツ庁長官 |
東京2025デフリンピックメダル発表
そして、東京2025デフリンピック競技で使用されるメダル発表では、全国(8万543人)の小学生、中学生、高校生(年齢相当含む)によるオンライン投票で3案の中から得票数の最も多かったC案『みんなで羽ばたく』のデザインに決定された。今回のイベントではメダル試作品がお披露目されました。メダルのおもては、折り紙で作った鶴が描かれ、選手たちが大きく羽ばたき、活躍することを願ったデザイン。うらは、いくつもの線がまじりあうデザインで、世界の人とのつながりをあらわしているデザイン。
投票した中学生代表2名の、プレゼンター | メダル(おもて)と(うら) |
その後、セレモニー第1部の最後には、出演されたゲストのフォトセッションが行われました。
セレモニー第1部で、出演ゲストが横一列に
セレモニー第2部
セレモニー第2部へ進み、新しい応援スタイル「サインエール」発表では、ステージ上の応援アンバサダー、デフアスリート、「サインエール」開発者3名と、観客が一体となって盛り上がっていました。
ステージに登壇した出演者たちによる、サインエール発表
そして、セレモニー第2部の最後には、応援アンバサダー3名による感想など、会場の観客のみなさんは聞き入っていました。昨年応援アンバサダーに就任した長濱さんは、「1年間活動して、デフスポーツを知れば知るほど魅力を感じるようになってきました。1年後、実際間近で選手たちの姿を見る機会が得られるのはとても貴重。私たちと一緒に盛り上げていただけたら嬉しいです」と熱く語っていました。
「サインエール」などをふりかえって感想を語る応援アンバサダー | 昨年応援アンバサダーに就任した長濱さん |
セレモニー1部終了後には、応援アンバサダーとデフアスリートの方々が取材人による囲み取材が行われていました。
記者からの質問に対して強い思いを語る応援アンバサダー | 記者から競技などの質問に対して丁寧に受け答えしていたデフアスリート選手たち |
その他の各イベントごとでも、たくさんの観客が列をつくっていました。プログラムでは、"手話アートとダンスで全力応援"、"きこえないってどんなこと?川俣先生&茨選手と学ぼう!デフリンピック"、"陸上レジェンド・朝原宣治が迫る音のない闘い~届けよう!新しい応援スタイル~"、"みんな集まれ!デフリンピックを応援しよう♪"と夕方まで盛りたくさん続いていました。
イベント毎、多くの観客が今か今かと開場を待っていました。
手話アートとダンスで全力応援
昼頃からのステージでは、手話アートの第一人者 門 秀彦(かど ひでひこ)さんによるライブペインティングを実演。子どもたちに人気のミドリーズと長濱ねるさんといっしょに、デフリンピック講座と同時進行でアートを描いてくれました。この後には一般の方々も参加できるブースも用意されていました。
ライブペインティングを説明する門さんとミドリーズ | みるケーションに設置されていた門秀彦さんワークショップのブース |
そして同時進行で行われたダンス楽曲「しゅわしゅわ☆デフリンピック」では、ミドリーズと長濱ねるさんと会場のみなさんと一緒に盛り上がっていました。このステージの際、様々なイベント会場において、ろう・難聴者と聴者がともに臨場感と一体感を楽しむ体験を生み出す「Ontenna」を、観客者の皆さんも体感されていました。
※記事の最後には、ダンス楽曲「しゅわしゅわ☆デフリンピック」の動画をお楽しみください。
長濱ねるさんと、SDGsこどもユニットのミドリーズと観客 | 「Ontenna」 |
きこえないってどんなこと?川俣先生&茨選手と学ぼう!デフリンピック
川俣さんと茨選手を先生にお迎え、生徒たちはミドリーズ。ろう者の文化やデフリンピックについて楽しく学べるイベントでした。
左側より、川俣郁美さん、茨 隆太郎選手、ミドリーズの公開特別授業
陸上レジェンド・朝原宣治が迫る音のない闘い
~届けよう!新しい応援スタイル~
朝原宣治さん、山田真樹選手によるスペシャルトークでは、山田選手と会場のむなさんが手話の拍手で朝原さんをお出迎え、静寂の中で闘うデフアスリートの奥深い世界のお話や、実際にデフ陸上でスタートする際に使用しているスタートランプを朝原さんがステージ上で実際に体験されました。
朝原宣治さん、山田真樹選手がスペシャルトークで朝原さんをお迎え
朝原さん、デフ陸上スタートランプを使用してのスタート体験 | みるテクノブースには、陸上競技のスタートランプやルールなどの説明も展示されていた |
そして、スペシャルトーク後にはデフアスリートのための「新しい応援スタイル」開発メンバーのもう一人の開発者でもある、牧原 依里(まきはら えり)さんの思いなど語られた後には、山田真樹選手、朝原宣治さん、「サインエール」開発メンバー、”ゆきりぬ”さんと、サインエールを披露された。
左側より、山田真樹選手、朝原宣治さん、「サインエール」開発メンバー、”ゆきりぬ”さん、牧原依里さん
みんな集まれ!デフリンピックを応援しよう♪
15日イベントの最後では、手話エンターテイナーの那須 映里(なす えり)さん、ゆりーと、ベコ太郎、ふじっぴー、コトミちゃん、SUSIE(スージー)デフリンピック応援マスコットが集合して「しゅわしゅわ☆デフリンピック」を踊って1日目のフィナーレを飾りました。
左側より、那須映里さん、ゆりーと、ベコ太郎、ふじっぴー、コトミちゃん、SUSIE
ダンス楽曲「しゅわしゅわ☆デフリンピック」の様子の動画はこちら↓
その他
キッチンカ―では、東北3県の魅力がつまった「常磐ちゃんこ鍋」、「常磐ものアカエイの唐揚げ」、「常磐ものメヒカリの唐揚げ」、「さんまのボーボー焼き」を、美味しくいただきました。
左側より、「常磐ちゃんこ鍋」¥600(税込)、「常磐ものアカエイの唐揚げ」¥400(税込)、「常磐ものメヒカリの唐揚げ」<上>¥400(税込)、「さんまのボーボー焼き」<下>¥200(税込)、「常磐ちゃんこ鍋」<2025年11月15日現在>
キッチンカ―
取材を終えて
今回、編集スタッフは11月15日のイベント取材に参加させていただきました。イベント関係者のみなさまさまざまなご配慮をいただきありがとうございました。
東京2025デフリンピックは今回で100周年の記念大会。東京開催むかえられることはとても誇らしく感じます。とても大変だと思いますが是非大会を成功させていただきたいと思いました。来年ぜひ、競技場で選手のみなさんに直接応援を届けたいです。
文/山本 秀一 写真/寺川 健一