夫Bさんと妻はダウン症のお子さんを愛してやまない。

「この先がどうなるか、子育てはうまくできるか、幸せになれるか、いじめられないか、どんなサポートがあるのかなど、もし、不安を感じておられる方がいらしたら、少しだけお手伝いできればという気持ちで、お話します」

 

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6.    調べられていない人たちに情報提供したい
7.    今、小中学校の障害児が増えている

大きな公園の黄色い花畑への中を遊覧バスが進んでいく 前進していくイメージ

写真はイメージです

6.調べられていない人たちに情報提供したい


 Bは言う。私たちは親の会やコミュニティーに参加して、さらに情報が入るようになった。大きい病院などには相談窓口が用意されており、そこで親の会の情報などが得られる。そこにたどりつくかどうかで情報が変わり、考え方や行動が変わってくる。
 私たちは、出産後入院したの小児科の病院が、戻る地域の大きな病院や、遺伝科があるところや、DK外来があるところを教えてくれた。それが大きなきっかけとなって動けている。

 今は、調べられていない人たちに情報提供したいと考えるようになった。出産した病院に、もしその時心理士や支援員がいても、受け容れる余裕がなかった。適切なタイミングで適切な情報を伝えることが大切だ、とBは言う。

 療育施設でも出会いがあった。感覚統合を指導してくれる先生に出会い、1歳からトレーニングを受けた。親の会の繋がりでダウン症専門の療育施設が出来ることを知り、そこにも良いタイミングでつながった。認知、知能面で効果があったのではと感じている。

 就学した時のために、放課後デイサービスを探した。リストはあるが、地図までは描いて無いので最寄りがどこか解らない。どういう施設かもわからない。情報が不足している場合がある。サイトは色々あるがどれが良いのかわからない。
 療育と比べて、運動療法士とか作業療法士とか不在のところもある。ノウハウや知見が足りなくて大丈夫かなと心配になることも。

黄色い菜の花と薄ピンクの桜 春の進学を連想するイメージ

写真はイメージです

7.今、小中学校の障害児は増えている

 

 Bは小学校進学の選択肢についても調べて悩んで決めた。

障害児が入れる公立の普通小学校には通常級と支援級があり、特別支援学校もある。
 決めるステップは、最初、行政担当者と面談し、知能発達レベルを検査、委員会で検討し、話し合いの後、行政の専門委員会が進学先を通達、親の希望を汲んで最終決定される。
 のだが、今、支援学校に入る児童生徒が増えているのだ。障害との診断にはならないが、部分的に障害が確認される(グレーゾーン)の子は、同じステップを踏んで進学先を決める。特別支援学校は、2025年3月現在、どこも教室が不足しているようだ。

 障害児は増加傾向にある。(特別支援学校などの情報は文末を参照してください)

 Bは支援級に進むことを決めた。通常級の子とふれあいを持って欲しいからだ。
「好きそうな事は経験させたい。どんな子も同じだし、どんな親御さんも同じだと思う」
 楽器で音を出したり、子供の興味を持ちそうな展示物に触れたり、忙しい。
「幼い時にした経験はよく覚えている。体験は大切と思う。喜ぶだけじゃなくて、刺激が成長につながるんじゃないかと私は思っているので」

 Bさんの眼には、未来が見えている。


貴重なお話を語ってくださって、ありがとうございました。
楽しいご家族の様子をまた聞かせて下さい。

 

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参考リンク
1.    特別支援学校などの児童生徒数の増加の状況
2.    特別支援学級の増加で加速する「分離」
3.    20年で倍増!急増し続ける特別支援学校の児童生徒
4.    「通級」教室が年々増加 一般の学校で特別支援教育
5.    でっかい坊さんの心のお寺 ダウン症の子が生まれた
6.    書家 金澤翔子さん https://k-shoko.org/
7.    療育センター例:埼玉県地域療育センター
 

文/写真 らくゆく編集部