東京2025デフリンピックに向け、東京都は一般財団法人全日本ろうあ連盟と協力し準備を進めています。
 耳のきこえない・きこえにくい方との円滑なコミュニケーションを進めるため、昨年度に引き続き、都庁職員向けに手話実技研修を実施。日本手話では簡単な会話を学び、国際手話では自己紹介や挨拶も学ぶなど、手話言語への理解を深めています。
 令和7年7月9日㈬、東京都庁第一庁舎5階 レセプションホールで行われた研修を、取材させて頂きました。
 冒頭の写真は講師の後藤啓二氏(左)と弊社の三浦 寿(右)

研修会場の様子 講師を前に職員がいすを並べ、一緒に手を動かしています

(研修会場の様子)


ろう者の文化や手話言語への理解促進研修(第二部・手話言語)
講師:後藤啓二氏 東京都聴覚障害者連盟
参加者:東京2025デフリンピック開催支援を担当する部署や他局の職員
    約25名(+オンライン参加)
今年度はこれまで5回実施され多くの職員が学ばれています。 

ありがとうの手話 胸の前で手の甲を相手に向け、右が上左が下から、上下に動かす

後藤啓二講師(お会いできて「嬉しいです」)
 

研修の内容
 日本手話:自己紹介、指文字・日時・競技名、デフリンピック関係の対話、会話実践、読取りの練習 など
 国際手話:デフリンピック競技名、月日・時間・数、会話表現 など
 
 2時間にしては内容の濃い研修。皆さん熱心に参加され、講師と一緒に手を動かしたり、同僚の方々と手話で対話されていました。

会うという手話 握って人差し指を立てた両手をむき合わせて
口から人差し指を前に 言う
前に出て手話で挨拶する参加者

始めまして、私は後藤と言います、よろしく

参加者も前に出てご挨拶

 

(隣の人とあいさつの練習をする様子)

東京 両手の親指と人差し指をL字に胸の前から上に上げる
デフリンピック1 親指と人差し指で丸を作って胸の前で重ね
右手と左手を上下入替える デフリンピック2

東京デフリンピック

日本の手話は日本列島の形を作ります 両手の親指と人差し指でひし形を作り胸の前に
両手を左右に広げてひし形を閉じる 日本
 
 

日本

世界

コミュニケーション

東京2025デフリンピックには世界中から大勢の方が来られます。各国にはそれぞれの手話がありますが、国際手話を使えば世界中のみんなとコミュニケーションが出来ます。

 

バレーボール

柔道

このように競技名は日本手話と国際手話が同じものもありますが、

 

自転車競技:日本手話はペダルをこぐ様子。国際手話では「ロード」はドロップハンドルを握る形、「マウンテンバイク」はストレートハンドルを握って激しく上下する様子を表現。

 

陸上競技:日本手話は両手の指を広げて弧を描き、走るレーンを表す。国際手話は両手人差し指と中指を足のように動かして、走る人を表現。

このように競技名では日本手話と国際手話には異なる手話もあるそうです。

数、月日、時間、曜日などは日本手話は覚えることがたくさんありますが、国際手話では数字を利用して、直観的に解りやすく表していました。

国際手話で数字を表現 左から順に数字を表していきます。会場の参加者も手を上げて一緒に

国際手話で数字を表現して見せる後藤講師
 

 後半、覚えた国際手話をさっそく使って、国際大会中に頻繁に質問されるような文章の会話を練習し、職員の皆さんは的確に表現されていました。
 


東京都職員の方にお話を伺いました
「普段の業務でも手話を使われる都民の方が時々来られますので、そのような時には手話でお話させて頂いています」
「世界手話は日本手話とは違うところがたくさんあって、とても楽しく、勉強になりました」
「機会があったら国際手話も使いたいです」


感想
自己流のジェスチャーではまったく通じませんが、
日本手話と国際手話は、直観的に見て通じることばでした。
私たちも貴重な学びになりました。興味を持って覚えて使いたいです。

 

 

国際手話に関して様々なテキストがあります

文部科学省 https://www.mext.go.jp/sports/content/20240514-spt_kensport02-000035919_46.pdf

東京都福祉局 https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/shougai/koho/sekaiwotunagusyuwa.files/gaikokunosyuwa.pdf

 

デフリンピック公式サイト https://deaflympics2025-games.jp/#gsc.tab=0

 

 

写真・文 三浦 寿、らくゆく編集部