先日、東京都板橋区の東京都立高島特別支援学校で開催された「カーレット教室」に参加してきました。カーレットとは、カーリングを机上で楽しめるようにした新しいスポーツで、幅広い世代に広がっています。
カーレットは2012年に日本で考案された新しいテーブルスポーツです。誰でも気軽に楽しめることから、近年では学校や高齢者施設、地域交流イベントなどで導入が進んでいます。
今回私が参加した際も、老若男女・障がいの有無を問わず、皆さん楽しんでいましたので、その様子をご紹介します。
目次
【カーレットとは】
●カーレットの特徴
・技術と伝統を受け継ぐ氷上のゲーム『カーリング』の神髄をどこでも手軽に行えるように考案されたのが『カーレット』です。カーリングよりも小さい石を使い、テーブル上で競技が行われます。
・「おはじき」や「ビリヤード」にも通じる面白さを持ち、さらにコミュニケーションが必要となる思考的・知的ゲームです。石のはじけ方、はじけ音、質感は五感を刺激し、非常に癒されます。
・「カーレット」という名前は、Curling(カーリング)に、let(「小さい」「かわいい」の意味の名詞語尾)を付けて造語されたものです。
●カーレットの精神
・フェアー精神が最も大切です。世代を問わず、カーレット競技を通じて一緒になってゲームを楽しみながら、コミュニケーションを深めていくことを目的としています。
・カーラー(競技者)はゲームに勝つことを目的としてプレイしますが、『相手の気持ちを思いやる心』、『感謝の気持ち』、『尊敬すべき行為』、『過失を素直に認める勇気』を大切にします。

【カーレットのルール】
・専用のテーブル(長さ3m60cm、幅60cm)とストーンを使い、プレイヤーは交互にストーンを滑らせて、相手よりも的(ハウス)の中心に近づけることを目指します。カーリングのような戦略性と、ビリヤードのようなテクニックが要求されるのが特徴です。
・1チーム3人で、対戦相手と交互に一人が2投ずつ投球し、1エンドにつき合計12投します。
・2チームの6人全員が投げ終えた後、ハウスの中心(ティー)に最も近いストーンを持つチームがその回の勝ちです。ティーに一番近い敵のストーンよりも内側にある自チームのストーンの数が得点となり、1個につき1点加算されます。負けたチームは必ず1エンド0点となります。
≪勝敗と得点の例≫

・ティーに一番近いのは青いストーンなので、青チームの勝ち。
・ハウス内で一番中心に近い赤のストーンよりも内側に青のストーンが2個あるため、その回(エンド)は青チーム2点、赤チーム0点です。
・全8エンドを行い、各エンドの合計点で勝敗を決めます。

▲チーム分けを行い、赤と青のストーンを使用して試合を行います。
【試合風景】

▲車椅子の方は正面から投げるのは難しいので、横から投げてもOKです。

▲実際に投げてみると、思い通りに投げられず、力加減などが難しかったです。

▲最後の一投まで試合の結果が分からず、ハラハラドキドキです。
【最後に】
シンプルながら奥深い戦略性と、誰でも楽しめる手軽さを兼ね備えた新感覚のテーブルスポーツでした。
今回初めて「カーレット」を体験し、コツがつかめてきた頃に、頭脳プレイが必要だと改めて気付きました。プレイ中は夢中になり、時間がたつのが本当に早かったです。室内競技なので、天候が悪い日でも気にせず楽しめるスポーツだと思います。
東京都のスタッフの方はじめ、カーレット協会の皆様には、優しく笑顔で対応していただき、ありがとうございました。
ご興味のある方は、ぜひ一度体験してみてはいかがでしょうか。
【競技風景の動画】
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写真・文/高瀬 翔太、大道寺 清