「新しい車いすが作りたい」と思ったとき、「体に合った車いすにしたい」と考えてJAHLIが向かった先は、国リハでした。そこでいただいた科学的な支援について、また国リハについて少し紹介します。
目次
新しい車いすを作ることになりました
運動機能系障害研究部
並木祭で見た「国リハ」
新しい車いすを作ることになりました。
「体に合ったものが作りたい。こぎやすくて今より良い姿勢で座りたい」友達に相談したら、国立障害者リハビリテーションセンター(通称「国リハ」)の研究所で、新しい車いす評価システムの研究開発をやっていると聞き、紹介してもらいました。
訪問先の国立障害者リハビリテーションセンター研究所
運動機能系障害研究部の河島則天先生

初回の訪問時は、それまで使用していた車いすの座位姿勢や駆動動作を、モーションキャプチャーや、重心計測が可能なローラー計測装置を使って計測してもらいました。
そして、乗車したまま設定が変えられる車いす(設定可変調節型車いす)に、乗り替えて体格や障害特性に応じた調整・計測を行っていただきました。(⇩色んなところの長さ高さ傾きを変えられる)

これらの評価システムは、株式会社RDSとの共同開発成果であり、現時点では国リハでの研究目的での計測、連携病院での試験運用を行っている段階で、将来的に地域の拠点病院や車いすメーカーなどでの活用を目指しているということでした。
運動機能系障害研究部
https://www.rehab.go.jp/ri/departj/undou/
今回は、そのデータを活かして作ってもらった新しい車いすを、改めてチェックしてもらいました。


改めて新車でローラーに乗ってデータを取って、今回(新車)と前回(旧車)を比較した結果を見せていただきましたので、測定したデータを掲載させて頂きます
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結果は、猫背だった姿勢が上向きになり、頭の位置も上がったことがデータにも表れています。重心位置が車輪の軸の真下に近づいたことで、こぎやすくなりました。
他にも河島則天先生は、車いすアスリートの競技用車いすの研究や用具支援にも関わっておられるようでした。パラアスリートにとって競技用の装具や車いすはパフォーマンスを最大限に引き出すため、選手の身体的特徴や競技の要求に合わせて特別な設計が施され、作られています。この研究室で測定される結果はそのための大切なデータです。

この研究部では、いろいろな障がいや動きにくさをデータ化して、様々な機器やシステムを駆使して、安全に動きやすくなるような研究や提案をされています。研究用機器をも開発して研究を進められているそうです。

並木祭で見た国リハ
この日は、イベント(並木祭)が行われている日でした。
研究所もオープンハウスを実施されていて、多くの障がい者とそのご家族、支援者、学生さん、関係企業の方々がセンターや研究所を見学されて混雑していました。

体育館には大勢の選手と応援団が集まっています。ちょうどツインバスケットボールのデモンストレーションが行われていました。この競技は日本のみで行われているもので、通常のゴールと腕の力の弱い選手用のゴール二つを使って行うバスケットボール競技です。

体育館の廊下には国リハとゆかりのあるパラスポーツ選手がずらり。このセンターの設立目的に「本センターは、我が国の障害のある人々の自立及び社会参加を支援するため、医療から職業訓練まで一貫した体系の下で、障害者の生活機能全体の維持・回復のため・・・」とあります。回復するだけじゃなく、第一線で活躍できるようになるまで支援されていることがわかります。

国リハは『旧身体障害者リハビリテーションセンター』だったようです。今は、様々な障がいや難病に悩む方々の支援や、その指導者・支援者の育成、そして障害に関わる多方面の研究が行われています。
並木祭の中には、自立支援のコーナーもありました。
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映り込んだ観客は、らくゆくスタッフの身内です▲ | |
掲示の中には、自立した自宅に支援スタッフさんの休憩室を用意しているという記事もあります。多くの人の関わりによって支援が行われ、その関わりを大切にしていることも、伝わってきました。
『国リハ』 何か困る前に、相談したいです。これからもよろしくお願いします。
国立障害者リハビリセンターのサイトはこちら
国立障害者リハビリセンター研究所のサイトはこちら
運動機能系障害研究部のサイトはこちら
生方JAHLI亮馬の記事のURLはこちら
文/写真 (国リハ卒業生)生方亮馬+高瀬翔太

| 趣味・特技:レゲエのセッション、コーヒー焙煎、車いすラグビー(Wheelchair Rugby)、アウトドア、大工経験あり 性格:好奇心旺盛、思いついたら即行動、ポジティブ思考MAX 挑戦するJahliの姿を見て、自分の可能性を感じてもらいたい! |




