「東京2025デフリンピック」は最終日を迎え、閉会式を前に開かれた記者会見では、大会関係者から「大成功」の評価が相次ぎ、特に「共生社会の縮図」を作れたことが強調されました。
久松委員長は、観客動員33万人という成果に「泣きそう」になるほどの感動を伝え、「行政、マスコミ、国民の皆様の協力で実現できた」と改めて感謝の意を述べ、日本のデフスポーツにとって大きな転機となる大会であったことを示しました。

第3回記者会見のスクリーンを背景に、感動している久松委員長

大会を総括:世界レベルの熱戦と満員の観客
 ICSD(国際ろう者スポーツ委員会)のアダム・コーサ会長は、大会を総括し、「東京2025デフリンピック運営に感謝する。ICSDは十分に満足しており、参加国からも高い評価を得ている」と述べました。
 最終参加国は79か国。 デフリンピック新記録62が樹立され、世界のデフアスリートのレベル向上を証明。観客動員では、どの会場も満杯となり、観戦者数28万人、デフリンピックスクエア来場者5万人、合計延べ33万人が来場したと説明がありました。

 久松三二氏(全日本ろうあ連盟・デフリンピック運営委員会委員長)は、「100年に相応しい素晴らしい大会」と評価。ろうあ連盟、行政、事業団、きこえる関係者が連携し、コミュニケーションの壁に挑戦して問題解決に努めたことが成功の要因と述べました。

大勢のデフアスリートや関係者もこのセンター広場でくつろいでいる

デフリンピックスクエアではデフアスリートと一般観客が直接交流できる画期的な場面が展開している

コミュニケーションの壁を超えた「共生社会の縮図」
 東京都スポーツ文化事業団の北島氏は、観客数33万人について、過去の記録を超えたとの認識を示し、「大人、子ども、海外の方、選手、障害のある方もない方も、一つのことを楽しむ『共生社会の縮図』を作ることができた」と、本大会の最も大きな成果を強調しました。

「共生社会実現に向けて成功か」
 久松委員長は、大会を通じて「共生社会を築く第一歩が踏めた」と述べました。情報・コミュニケーション保障への挑戦: 放送でのきこえない解説者の起用や、手話解説の養成講座開催など、情報保障とコミュニケーション保障の壁に挑戦したことが成果として挙げられました。

社会の担い手へ
 久松氏は、「これまでは社会の中で支えてもらう人だったが、これからは社会を支える立場になることを目指したい」と、大会を機にきこえない人きこえにくい人当事者が主体性を持って活躍できる社会への変革に期待を寄せました。

男子陸上100m銅メダル、4X100mリレー金メダリストの佐々木選手を囲むファンたち

あちらこちらでメダリストは囲まれて談笑し、記念撮影に応じている

オリンピック・パラリンピックとの違い
 観客を入れられなかった会場での競技を、28万人の観客に見ていただけたことが大きな違いであると述べられました。また、選手と支援者が隔離されず、「共生社会の場」が作れた点も特筆すべき成功点として挙げられています。

今後の展望:デフスポーツのさらなる発展へ
 今後の課題として、手話施策推進法などに「魂を入れる」ための時間が必要であること、手話通訳者の身分保障の必要性などが挙げられました。

 また、デフリンピックの将来的な位置づけについて、コーサ会長は、ICSDは手話言語を必要とするろう者当事者が中心であり、IPC(国際パラリンピック委員会)とは協力関係にあり、スポーツの発展という共通の目標に向かって努力していく姿勢を強調しました。

センター棟ロビーの生け花、赤いユリが大会中咲き続けた

まかれた種はやがて花を咲かせ実をみのらせる

デフリンピック公式サイト

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