東京の主要な河川である隅田川や荒川、そして臨海部を巡る東京水辺ラインの特別企画便「特別ゆらぶら便」は、普段は見られない川沿いの風景や、橋をくぐり抜けるときの迫力など、水上ならではの景色が魅力です。車いすの方も、船内からゆったりと東京の景色を楽しめる人気のクルーズです。

小豆沢発着に水上バス「さくら」到着

「車いすでも楽しめるの?」という疑問をお持ちの方へ、乗船に関する情報をまとめました。事前の連絡と確認をしっかり行えば、特別な水上散歩を満喫できます!
今回は、小豆沢発 ~ 両国リバーセンター着で楽しんできたので、ご紹介したいと思います。

目次

東京船旅とは

舟に乗って東京の水辺をちょっと旅する、をコンセプトです。
隅田川をはじめ、日本橋川・神田川・目黒川などの川辺、日の出・晴海・有明・青海等の海辺の多彩な景色が広がり、春は花見、夏は花火、秋は紅葉、冬は夜景。表情豊かな水辺を、大都会の中に見つけることができるそんな東京の水辺の旅を、楽しんでみませんか。

特別ゆらぶら便とは

月に1度の特別便になります。
・コース:両国リバーセンター ~ 墨田区役所前 ~ 浅草二天門 ~ 神谷 ~ 小豆沢 ~ 葛西臨海公園 ~ お台場海浜公園 ~ 両国リバーセンター ~ 墨田区役所前 ~ 浅草二天門 ~ 神谷 ~ 小豆沢
・所要時間:最長6時間55分(乗船及び下船先により所要時間は異なります。)
・船舶情報:さくら・あじさい・こすもすのいずれか。(運航状況等により予定の船舶が変更となる場合があります。)
乗船のポイント
事前連絡がカギ!船内および主要な発着場は車いすに対応していますが、特に「特別ゆらぶら便」のような特定の船を利用するクルーズでは、下記の注意が必要です。

予約方法

・必ず事前に連絡をする
車いすを利用して乗船する場合は、予約時または利用前に必ず東京水辺ライン(東京都公園協会)へ必ずお電話で連絡し、車いす利用と障がい者割引の利用の旨を明確に伝えてください。(インターネットでの予約は不可)
【重要】 船の構造上、ご利用いただける台数や大きさに制限があります。
・事前の連絡により、車いすのサイズや予約状況を確認し、乗船の可否や対応について案内してもらえます。
・事前連絡がない場合、乗船できない可能性もあるため、スムーズな利用のために忘れずに行ってください。

当日の流れと料金

・出航する20分前に「東京水辺ライン 小豆沢発着場待合室」に来るようにします。万が一、当日キャンセルや遅れる場合は必ずお電話するようにお願いいたします。
・船が到着したら、専用のリフトで船に乗ります。
・料金の支払いは、船の中で行いこのとき必ず「障害者手帳」の提示をお願い致します。(コースによって金額は、異なりますので、お電話で確認をするようにしてください。)

水上バス乗り場の看板
小豆沢発着の正面待合室
小豆沢発着の関係者入口
小豆沢発着の横にトイレもあります。

バリアフリートイレ情報

扉は、手動の両開きドアです。
便器があり、左右に手すりがついています。
洗面台の横に手すりがついています。
介助シートもあります。

発着場でのサポート

・船と桟橋の間に段差がある場合、乗船時にスタッフの方が渡し板(スロープ)を設置するなど、乗降のサポートをしてくれます。お困りの際は、遠慮なくスタッフに声をかけましょう。

今回は、「小豆沢発着 → 旧岩淵水門 → 葛西臨海公園 → お台場海浜公園 → 両国リバーセンター」までの約4時間の船旅です。

特別ゆらぶら便「さくら」到着。満席です。

定刻通り船が到着します。

スロープを下っていきます。

スロープを利用して下ります。

船上からの1枚。右が埼玉県、左が東京都

車いす用リフトを使用し、船内に乗船したら、出航です。

旧岩淵水門(赤水門)と紅葉が綺麗です。

旧岩淵水門(青水門)
国の重要文化財
かつて「荒ぶる川」という名のとおり氾濫を繰り返した荒川。
大正5年から8年間の歳月をかけて建設され、昭和30年代の改修工事で赤い色に塗りかえられたことから「赤水門」という愛称で地元の人々に親しまれています。
東京都北区観光ホームページの説明ページ

葛飾区近辺、東京スカイツリーが見えます。
都営新宿線の線路が見えます。
葛西臨海公園の大観覧車が見えます。

葛西臨海公園
海に面した広大な園内には、緩やかな勾配の芝生広場、展望レストハウス「クリスタルビュー」、野鳥などの自然観察ができる「鳥類園」、葛西臨海水族園などがあります。また、大観覧車では、17分間の壮大な空中散歩を楽しむことができます。水上バスも運航され、ウォーターフロントの人気スポットになっています。
また、葛西臨海公園は、災害時の避難場所や大規模救出救助活動拠点候補地として防災上の重要な役割も担っています。
江戸川区の紹介ページ

東京ゲートブリッジが見えます。
お台場海浜公園周辺で見かけたボートです。
お台場海浜公園に到着。目の前に「フジテレビ」が見えます。

お台場海浜公園
約800mの人工砂浜「おだいばビーチ」では、様々なイベントが開催されたり、ウインドサーフィンなどのマリンスポーツが楽しめます。
また、磯浜エリアも整備されており、ウォーターフロントの美しい景観を眺めながら、釣りや磯遊びを楽しむことができます。
すぐ近くには「デックス東京ビーチ」や「アクアシティお台場」といった商業施設もあり、食事やショッピングの他、アミューズメントも楽しめます。
東京お台場.netの紹介ページ

見上げるように、レインボーブリッジが見えます。
中央区近辺で、再び東京スカイツリーが見えます。
勝鬨橋が見えます。
高層ビルを見上げた写真
目的地、両国リバーセンターに到着

両国リバーセンター
両国国技館や江戸東京博物館等の施設が立地し、歴史・文化に係る観光資源が集積しています。また、幹線道路や複数の鉄道駅からのアクセスが容易であり、水運と陸運の交通結節点として高いポテンシャルを有しています。
 こうした地域特性を活かし、まちと水辺を結ぶ拠点、災害時の輸送拠点、舟運観光の拠点として、都は墨田区とともに両国リバーセンター整備事業を進め、令和2年11月に全面開業しました。
他にも、ホテルやレストラン、子育て支援施設等の複合施設があります。
東京都建設局の紹介ページ

船内の様子と設備

車いすでも、問題ありませんでした。

らくゆくスタッフ2名が船内で楽しんでいる様子
車いすスタッフが船内から景色を見ている様子

・上部デッキの利用
上部デッキに行くには、階段を使用しないといけないので、車いすの方は厳しいと思います。

上部デッキに行く階段です。

(他、気象状況や潮位によっては閉鎖される場合がありますので、船内でのスタッフの指示に従ってください。)

・車いす対応トイレ
船内には、車いすの方も利用できるトイレが設置されていますが、中は狭いので乗船する前にトイレに行っておいた方がいいです。(念のため、予約時に確認することをおすすめします。)

船内の車いす対応トイレの扉です。
車いす対応トイレ内部の様子です。

※現在運航している「あじさい」、「さくら」、「こすもす」が、老朽化のため、東京都により順次廃船されることとなりました。
2025年12月より規模を縮小し、2026年1月18日をもって、休止することといたします。
「東京水辺ライン」の令和8年夏頃の再開を目指してまいります。
何卒ご理解くださいますようお願い申し上げます。

まとめ

東京水辺ライン「特別ゆらぶら便」は、事前の準備と確認さえしておけば、車いすの方も十分に楽しめる素晴らしい水上体験です。電話でしっかりと状況を伝えて、心地よいクルーズをお楽しみください!

東京船旅


文:翔太、写真・動画:寺川、小川