バリアフリー情報サイト「らくゆく」をご覧の皆様。障害のある人も芸術文化を楽しめるように、多くの施設や公演で「アクセシビリティ」を充実させようとしています。本講座には沢山の関係者が参加して学んでいます。
今回は、アーツカウンシル東京が主催する「令和7年度アクセシビリティコーディネーター講座<スタート編>」の取材レポート(前編)をお届けします。 後編はこちら

目次
講座①芸術文化のアクセシビリティに関する考え方
講座② 手話通訳活用のための入門講座
講座③ 感覚過敏と文化施設
主催の「アーツカウンシル東京」とは?
【参加者感想】
本講座は、芸術文化の現場で、誰もが楽しめる環境づくりの第一歩を踏み出すための基礎知識を学ぶプログラムです。次年度にはさらに踏み込んだ「実践編」も計画されているそうです。
講座①芸術文化のアクセシビリティに関する考え方
講師:駒井由理子氏
具体的な環境整備として、以下の「3つのステップ」が紹介された。
第1段階は「情報サポート(施設を知る・行く)」:やさしい日本語の施設案内、事前に見通しを持てるソーシャルストーリーの提供など。
第2段階は「鑑賞サポート(参加する)」:触図、音声ガイド、手話通訳、カームダウンスペースの設置など。
第3段階が「参画(担い手になる)」:当事者が観客としてだけでなく、企画運営やスタッフ、アーティストとして関わる段階。

最も重要なのは、ツール以上に、「ウェルカム」なコミュニケーションの姿勢。(「おたずねください」と書かれたバッグ 写真上)
究極の目標はサポートツールではなく「鑑賞後に、作品の感動や楽しさだけが記憶に残る」クオリティを目指すことだと締めくくられた。 (目次に戻る)
講座② 手話通訳活用のための入門講座
講師:小林信恵氏、飯泉菜穂子氏

手話通訳について語る 飯泉菜穂子氏
手話は音声言語とは異なる「視覚言語」であり、手話通訳はろう者と聴者の双方をつなぐ「言語通訳」であると解説した。
手話という言語についての基礎知識を学び、その上で場面に応じた通訳者の手配について事例とともに解説。
質疑応答では、参加者から、実務に直結する多くの質問が寄せられ、講師陣から、具体的なアドバイスが送られた。 (目次に戻る)
講座③ 感覚過敏と文化施設
講師:綿貫愛子氏
まずは、神経発達症の基礎知識から学び、感覚過敏とは何によって起こるのか、そのためにできることについて語った。

講義中、照明の刺激を軽減するように配慮
障壁となる要因: 音、光などの感覚刺激だけでなく、「逃げ場がない」「予測できない」という不確実性が参加への大きな負担になることもある。
解決への方向性: 刺激をゼロにするのではなく、来館者が環境を「選べる」ように選択肢を提供し、事前情報で「予測可能性」を高めることが重要。
これらを通じた「センサリーフレンドリー(感覚過敏に配慮した環境)」な取り組みが、社会の包括性を高めることにつながると語った。
自閉スペクトラム症当事者からみた特別支援教育(NPO法人東京自閉症協会 綿貫愛子):校内研修シリーズNo.172
奇跡のフォント 高田裕美
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主催の「アーツカウンシル東京」とは?
東京の芸術文化支援の専門機関です。資金面での助成だけでなく、今回の講座も含む多くの方法を通じて「現場の環境づくり」を伴走型で支援しているのが大きな特徴です。アクセシビリティに配慮された施設や公演情報も発信されています。
アーツカウンシル東京のサイトで詳しくご覧ください
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【参加者感想】
〇「不利益や不快を突きつけられない環境を作る」「作品の感動や楽しさだけが記憶に残る」「手話通訳はろう者だけのためではない」など、講師の方々のご経験を通じて語られる貴重な言葉に大変感銘を受けました。この活動はみなさんに知っていただきたいですね。
〇この講演で「鈍麻(どんま)」という言葉を初めて聞きました。過敏の反対で感じにくいことを指すそうです。感覚刺激をゼロにするのではなく、あらかじめ情報提供したり、光・音などの低刺激な場所、休憩場所のような環境を作るなどできることはたくさんあると学びました。
後編はこちら
『参加できない』と諦める前に、その場所の『環境』を見つめ直すこと。障害は個人の特性ではなく、社会の側にあると捉え直したとき、街の景色は、今日から変わって見えると思いました。(小川)
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写真・文:小川陽一、牛田 弘
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