AIやIoTといった情報技術の進歩と多様化により、障がい者がデジタル資源を利用して自立や社会参加できるチャンスが増えてきました。
しかし、その流れを更に推進するためには専門的なスキル&当事者と同じ視点の両方を備えて助言や提案、コーディネートする支援者の存在も不可欠です。
「デジタルアクセシビリティアドバイザー認定試験」は、デジタルと福祉の知識を併せ持つ人材を育成するための資格試験です。
この記事では、試験の概要や障がい当事者が試験にチャレンジする際のポイントについて紹介します。
目次
デジタルアクセシビリティアドバイザー認定試験とは

2021年より、一般社団法人日本支援技術協会によるデジタルアクセシビリティアドバイザー認定制度が始まりました。
デジタルアクセシビリティアドバイザーとは、デジタル機器の活用を障がい者や高齢者の特性や困りごとに合わせてサポートし、適切にコーディネートする知識と技術を備えていると認定を受けた人材です。
試験を通じて、例えば手が不自由な人がスマホを使う時にはどんな設定が必要かをアドバイスしたり、視覚障がい者がPCでWebサイトを閲覧することを想定した時、サイト構築をする側はどう配慮すべきか提案したりと、デジタルと福祉、両方の知識を活かして仕事や地域活動の幅を広げることができます。
デジタルアクセシビリティアドバイザー認定試験の基本情報
デジタルアクセシビリティアドバイザー認定試験の受験要項は、次の通りです。
受験資格:年齢、国籍、学歴問わず受験可能
試験形式:CBT方式(PCによる出題、マウスとキーボードによる解答)
受験レベル:Basic(ベーシック)/Standard(スタンダード)の2段階
受験料:Basicレベル 5500円/Standardレベル 7700円 (ともに税込)
受験会場:次のリンクから、お住まいの地域に合わせて受験会場を探すことができます。
試験会場を探す | Odyssey CBT | オデッセイ コミュニケーションズ
申込方法:受験にあたっては、まずオデッセイIDの登録が必要です。
次のサイトも確認したうえで、登録してください。
デジタルアクセシビリティアドバイザー認定試験 Basicレベル
デジタルアクセシビリティアドバイザー認定試験 Standardレベル
試験に合格すると、デジタルアクセシビリティのスキルを有する者として認められ、デジタル認定証(オープンバッジ)を貰うことができます。
詳細は、公式サイトでも確認できます。
デジタルアクセシビリティアドバイザー
現在はBasicとStandardの2つのレベルから受験可能
現在、認定試験にはBasic(ベーシック)とStandard(スタンダード)の2つのレベルがあり、目標や難易度に合わせて、試験を選ぶことができます。
また。それぞれのレベルに合格すると、デジタル認定証(オープンバッジ)が貰え、メールの署名などでデジタルアクセシビリティのスキルを保有していることを証明できます。
各レベルの試験内容を紹介します。
Basic(ベーシック)レベル
- 障がいの理解
- テクノロジーの理解
- 各OSの標準アクセシビリティの理解
当事者自身や家族、地域のICT機器利用を支援するために必要な知識の取得が目標です。
Standard(スタンダード)レベル
- 障がいの理解
- テクノロジーの理解
- 各OSの標準アクセシビリティの理解
- 個人情報保護
- 障がいごとの特性と支援技術の適合
- 支援技術サービスの提供
- 情報アクセシビリティ
業務として、ICT機器の利用や支援技術を提供・コーディネートする際に求められる能力を認定します。
障がいがあっても受験できる?

デジタルアクセシビリティアドバイザー認定試験は、視覚障がい当事者や車いすユーザーの受験者にも対応しています。
試験を主催するオデッセイ・コミュニケーションズ社及び各試験会場へ申請や確認をすることでサービスを利用できます。
ただし、スクリーンリーダーの使用や画面解像度の変更、専用ドライバのインストールなど、試験会場にあるPC自体の設定を直接変更して受験することはできませんので、注意が必要です。
主な配慮内容は次の通りです。
| 障がい種別 | 配慮内容 |
|---|---|
| 視覚障がい/ 視野障がい |
|
| 聴覚障がい | 筆談による対応 |
| 車いす/ 肢体不自由 |
|
配慮不可の内容
- 専用のドライバやアプリのインストールが必要なマウス、キーボード、デバイスの使用
- スクリーンリーダー利用
- 画面解像度の変更
- Windows拡大鏡機能の利用
- ディスプレイ全体の文字サイズ変更
- ソフトウェアキーボード、スクリーンキーボードの利用
- 画面のハイコントラスト化
(試験科目による、申請事前にオデッセイ社に確認)
配慮を希望する場合は、受験申込とは別に試験日一か月前までに申請が必要です。
申請には、身体障害者手帳のコピーまたは直近3か月以内の医師による診断書を提出します。
受験当日は、顔写真付きの身分証明書(障害者手帳含む)を忘れずに持参しましょう。
詳細な情報については、次のサイトも確認してください。
障がいのある方への支援について | オデッセイ コミュニケーションズ
まとめ

デジタルアクセシビリティアドバイザー認定試験は、目標のレベルの合格を目指すことはもちろんですが、学習を通じてデジタル技術のみならず障がい福祉の基礎知識といった幅広い知識も理解することができます。
障がい当事者であり、Webアクセシビリティに関わる立場として、私もぜひチャレンジしてみたいと思いました。
関連記事
視覚障がい者の私がWeb記事作成で直面した「3つの壁」とその乗り越え方
アクセシビリティコーディネータ講座<スタート編>/前編①②③
ウェブアクセシビリティ診断
文/野崎恵美子(網膜色素変性症)
