「子どもと一緒に、生の演劇を楽しめたら素敵だな」と思ったことはありませんか?でも、「静かに観られないかも」「泣いちゃったらどうしよう」と不安で、一歩が踏み出せない方も多いはず。

そんなパパ・ママの強い味方が、吉祥寺シアターが手がける「吉祥寺ファミリーシアター」です!
楽器の生演奏が聴けたり、本番前にワクワクするワークショップがあったりと、子どもたちが夢中になる工夫がいっぱい。しかも、基本は「途中入退場自由」という、とっても優しいスタンスで私たちを迎えてくれるんです。

今回は、そんな吉祥寺シアターさんに、プロジェクトにかける想いや舞台裏のこだわりについてアンケートにお答えいただきました!劇場の皆さんの温かいメッセージを、そのままの言葉でお届けします。


吉祥寺ファミリーシアター2025『銀河鉄道の夜』、ブランコのような板に腰をかけて上方をみている

吉祥寺ファミリーシアター2025『銀河鉄道の夜』 撮影:Yoshikino

 

1. 企画の背景・コンセプトに関する質問

Q1:プロジェクトが始まったきっかけや、劇場として最も大切にしている「核」は何でしょうか?
このプロジェクトは、「お子さまが小さい頃から舞台芸術に親しんでほしい」「家族みんなで劇場に足を運んでほしい」という想いから、2018年度に本格的に始動しました。劇場として大切にしている「核」は、単なる鑑賞の場にとどまらず、ワークショップを通じた「表現の場」や、公園のように自由に過ごせる「出逢いの場」として、劇場をより身近に感じてもらう機会を創出することにあります。
Q2:作品を作るうえで、制作者(演出家・作家)と劇場は、どれくらい関わって舞台を作っていくものなのですか?
吉祥寺ファミリーシアターは、劇場の主催事業です。そのため、劇場と制作者が非常に密接に関わっています。例えば、2024年の『スーホの白い馬』以降、劇場職員である小西力矢が自ら脚本・演出・音楽を担当しています。劇場職員が自ら創作を行うことで、公共劇場としての新たな在り方を模索しながら、作品づくりを進めている点が大きな特徴です。

『らくよう、くよう、おにんぎょう』アウトリーチ公演フランス人形がタラコに自分の人生を話している

『らくよう、くよう、おにんぎょう』アウトリーチ公演


2. 作品づくり・演出へのこだわりに関する質問

Q3:いわゆる「子ども騙し」ではない、大人の鑑賞にも堪えうる本格的な名作文学や演出を取り入れている理由を教えてください。
多様な年齢の子どもたちが、それぞれの感性で物語を受け取り、想像力や思索を深める芸術鑑賞体験を提供することを目指しているからです。昨年上演した吉祥寺ファミリーシアター2025『銀河鉄道の夜』では、おすすめの年齢は8歳からとしつつも、子どもには冒険物語として、大人には人生哲学として、世代を超えて愛される「人生のバイブル」としての側面を大切にした作品を制作しました。
Q4:吉祥寺シアターの劇場側として、子どもたちに飽きさせない、楽しませる工夫があれば教えてください。
『らくよう、くよう、おにんぎょう』では上演団体であるあやめ十八番さんの持ち味である楽器の生演奏や上演前のワークショップをご提案いただき、五感を刺激する工夫のある公演を行いました。また、劇場公演の際は、本番に先駆けて子ども向けの関連ワークショップを開催し、あらかじめ作品の世界観に触れてもらうことで、本番への興味を高める取り組みも行っています。
Q5:『らくよう、くよう、おにんぎょう』 では 、ワークショップで、効果音についてクイズ形式で盛り上がっていました。子どもたちが“演じる側・つくる側”に回ることで、どんな化学反応が起きていますか?
子どもたちが想像することや表現することの楽しさを自ら発見し、物語への理解を深めるとともに、舞台芸術を能動的に楽しむ姿勢が育まれていると考えます。

左に着物を着たらくようが素早く踊り、フランス人形がシャンソンで踊っている

『らくよう、くよう、おにんぎょう』アウトリーチ公演

3. 「親の支援」と劇場環境に関する質問

Q6:「出産を境に劇場から足が遠のいてしまった保護者」を支えることも目標に掲げられています。実際に来場した親御さんや子どもたちからは、どのような声が届いていますか?
『らくよう、くよう、おにんぎょう』に、小学生以下のお子さまとご来場されたお客様からは、「親子シアターなら行ける!と今回楽しみにしていました。久しぶりに生の劇を見ることができてうれしいです。」とのご感想をいただきました。未就学児の膝上鑑賞や、ベビーカーの預かり、託児サービスなどを設け、子育て世代の家族が気軽に足を運べるような環境整備に努めています。こうした活動を通じて、保護者の方が安心して観劇できる環境を作り、家族の生活の中に「劇場に通う」という習慣を育むことを目指しています。
Q7:一般的な公演では「静かに観る」ことが求められますが、ファミリーシアターで子どもたちが声をあげたり、泣いてしまったり、途中で退場・再入場したりすることに対して、劇場側はどのようなスタンスで受け入れていますか? 
ファミリーシアターのプログラムでは、基本的に「途中入退場自由」としています。子どもたちが声をあげたり、泣いてしまったりしても、周囲を気にしすぎることなく、それぞれのペースで楽しめるよう、受け入れています。

カーテンコールの後、子供たちが出演者に激励をしている

『らくよう、くよう、おにんぎょう』アウトリーチ公演

4. 地域連携とこれからの展望についての質問

Q8:劇場内での公演だけでなく、学校や図書館へ出向く「アウトリーチ公演」や映像配信にも取り組まれています。劇場に足を運ぶのが難しい層へ届けるために、どのような工夫をされていますか?アウトリーチ公演を見た側の声は届いていますか? 

小学校などの施設へ出向く「アウトリーチ公演」や、駅前広場などの公共空間でのパフォーマンス、さらには飲食店や書店でのリーディング公演などを実施しています。劇場以外の、市民生活に馴染んだ場に演劇を持ち込むことで、普段舞台芸術に触れる機会の少ない層にもその魅力を届ける工夫をしています。紙でのアンケートやSNSのご感想が届いており、またやってほしいとの声を参考に、シリーズ企画となった公演もあります。
Q9:このファミリーシアターを通じて、幼少期に舞台芸術に触れた子どもたちに、将来どんな大人になってほしい、あるいは劇場とどんな関係を築いていってほしいと願っていますか?
舞台芸術を通じて豊かな感性を養い、将来的には、自らの意志でひとりでも多くの方が劇場に足を運んでくれるようになる未来を願っています。劇場が、単なる施設ではなく、市民にとっての交流や創造の場として機能し続けることを目指しています。

 

ワークショップで低音を鳴らしているもの当てクイズをしています

ワークショップで音あてクイズをしています

ワークショップでセミの鳴き声をレクチャーしています

ワークショップで劇中で使うセミの鳴き声を子どもに伝授しています


吉祥寺シアターの皆さん、素敵なご回答をありがとうございました!

アンケートの中にあった「親子シアターなら行ける!と楽しみにしていました。久しぶりに生の劇を見ることができてうれしいです」という親御さんの声には、思わず胸が熱くなりますね。ベビーカー預かりや託児サービスなど、安心して観劇できる環境があるからこそ、家族みんなで最高の思い出を作ることができます。

ここで育まれた子どもたちの豊かな感性が、どんな未来へ繋がっていくのか今からとても楽しみです。
最新の公演情報やワークショップの予定は、ぜひ吉祥寺シアターの公式サイトやSNSをチェックしてみてくださいね!

 

吉祥寺シアター

あやめ十八番