視覚障がい(弱視)の特性と向き合いながら生活をしていると、日常の小さな不便さが積み重なり、気づくと大きなストレスになってしまうことがあるかもしれません。
私自身も「もう少し視力があれば簡単なことなのに」「何とか生活はできるけれど、障がいが進行して以前より楽しみが減ってしまった」と感じるときがあります。そんなとき、たまたま手に入れたスマートスピーカーを使ううちに、日常の不便さがちょっと解消され、心も軽くなりました
この記事では、当事者の私がスマートスピーカーを使って生活が快適になった点を紹介します。


目次


スマートスピーカーとは?

スマートスピーカーは、声の指示で音楽やラジオの再生からスケジュール管理、家電の遠隔操作まで可能にする多機能なスピーカーです。
音声による操作や再生ができるため、視覚障がいがあったり、手指が不自由だったりして、複雑なスマホ操作が難しい人でも手軽にデジタルの恩恵を受けることができます。
私も「音声で時間や天気の確認、スケジュール管理ができたら目が疲れにくそうで良いかも」と思い購入しました。

現在、スマートスピーカーはさまざまなメーカーから発売されています。
代表的なものとしては、Amazon EchoやGoogle Homeなどがあります。
それぞれ機能やサイズ感に特徴があるので、生活スタイルや目的に合ったものを選びましょう。

代表的なスマートスピーカー

製品名 特徴 価格(税込)
Amazon Echo Spot2024年に登場した、卓上時計感覚で使いつつ、スマートスピーカーの基本機能がしっかりそろっている一台。11,480円
Amazon Echo Show 5 第3世代5.5インチのディスプレイ搭載で、音声のみならず映像・画像の表示機能も充実。ビデオ通話や動画鑑賞も楽しみたい人におすすめです。12,980円
Google Nest Hub(第 2 世代)「OK,グーグル」と話しかけることで、天気予報やGoogleカレンダーと連携したスケジュール管理、家電の操作(別途アクセサリの設定が必要)などが実現でき、生活の幅が広がります。11,000円
Google Home スピーカー2026年6月25日に発売した新モデル。AI「Gemini」搭載で、より自然な会話が楽しめます。16,800円
画面に14:05と表示された、前面が円形のコンパクトなスマートスピーカー、Amazon Echo Spotの正面写真

▲私は、コンパクトなサイズ感でありながら多機能な、Amazon Echo Spotを愛用しています。

Amazon Echo Spotを真横から写した写真。背面が丸みを帯びており、上部にボタンが配置されているユニークな形状

▲手のひらにも乗る程度の大きさで、置き時計っぽい見た目がどんな部屋の雰囲気にも合わせやすそうで気に入っています。

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スマートスピーカーの事前設定(Alexaの場合)

ここからは、視覚障がい者(弱視)の私がどんなふうにスマートスピーカーを操作し、生活に取り入れているのか紹介します。
購入して最初の基本設定は、Alexaアプリをスマホにダウンロードして、そこからインターネット経由で行いました。
Amazon Echoの機能をしっかり活用するためには、まずはAmazonアカウントとAlexaアプリの設定が必要なので、スマホの操作に不安がある場合は家族やサポートしてくれる人と一緒に初期設定をすると良いでしょう。

Alexaアプリの「その他」メニュー画面。「ミュージックハブ」「リスト・メモ」「定型アクション」「スキル・ゲーム」「設定」などの白文字の項目が、黒い画面にタイル状に並んでいる様子

▲Alexaアプリの操作画面。AmazonアカウントとAlexaアプリのダウンロード、安定したWi-Fi環境があればすぐに設定できます。

Amazon Echo Spotの円形画面に、黒背景と白い大きな文字で「設定」「時計・テーマ」「Bluetooth」「ディスプレイ」と表示されている設定メニューの写真

▲ディスプレイもハイコントラストで見やすく、一部の設定は本体からタッチ操作が可能。

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身の回りの変化を声で教えてくれる!

初期設定が終わったら、まずはスピーカーに今の時刻と天気を聞いてみましょう。

アレクサの場合は「アレクサ、今何時?」「アレクサ、今の天気を教えて」などと話しかけます。スピーカーがAIによって時刻と指定した地域の天気を音声で答えてくれます。天気は、晴れか曇りかだけでなく、気温や湿度も回答してくれます。

時計の文字盤やスマホの画面の情報がすぐには分からない、見えづらいときには便利です。

スマートスピーカーの3種類の設定画面。左はアナログ時計、中央は縦並びのデジタル時計と小さな天気アイコン、右は大きな雨雲イラストとデジタル時計が大きく表示されている

▲時計の文字盤は、好みのデザインに変更OK

ニュースを知りたくなったときは「アレクサ、フラッシュニュースを聞かせて」と話しかけると、主要ラジオ局のニュースがダイジェスト形式で流れます。

家にテレビがない場合でも、最新の情報をチェックすることが可能です。

スマートスピーカーの円形画面に、時刻「13:09」、「NHK RADIO NEWS」のロゴ、および「NHKニュース 2026年」とテキストが表示されているニュース再生中の様子

▲ニュースの表示画面。NHKなど主要なメディアが報じたニュースからピックアップして教えてくれます。

 

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ラジオや音楽などのエンタメも充実!読書もできます

すでにスマホで音楽のサブスクリプションサービス(Apple MusicやAmazon Musicなど)やラジオアプリ(radiko)を利用している場合は、スマートスピーカーとリンクしてスピーカー経由で楽しむこともできます。

スマートスピーカーの再生画面。左はradikoでラジオ再生中の画面(14:32、一時停止ボタン等を表示)、右はAmazon Musicで「Claude Debussy」を音楽再生中の画面(13:08、アルバムアートワーク等を表示)

▲音楽やラジオ再生中のディスプレイ

また、Kindle(Amazon Echoシリーズの場合)やGoogle Playブックス(Google Nestシリーズの場合)で購入した電子書籍は、スマートスピーカーで読み上げてもらうこともできます。
私はもともと読書が好きでしたが、障がいが進行してここ数年は紙の本を読むのが難しくなってきていたので、聴くことで読書の楽しみを再び味わえるようになったのはとてもうれしいです。

▲音楽再生と同様、読み上げ中は書籍名が表示されます。

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まとめ

スマートスピーカー1台で、ここまで生活が快適になるとは思ってもみませんでした。
目を使わずに天気や時間を知りたい、また読書にチャレンジしたいなど、一つひとつの希望は小さくても、きちんと解決や成功体験を積み重ねていくことで障がいがあっても生活の質が大幅に改善することを実感できました。

後編では、テレワークでのスケジュール管理やスマートホームなど、さらに生活に合わせた私なりの活用法についてお伝えします!

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文・写真・動画/野崎恵美子(網膜色素変性症)