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ESSAY //// Views-535

花の〝花道〟に



週刊連載エッセー 11月15日 (月曜日)

秋も深くなり、花屋さんにも菊、ストック、シクラメンなど、季節を感じる花が並んでいます。
日ごろ生活のなかで、生花を絶やさずに飾ることを心がけています。居間、食卓、玄関、トイレにも。ひと束の花から少しずつ分けて、庭の花や葉っぱを足して。
考えるとふだんの花は、お客様のためでもなく、家族が毎日感動するわけでもないので、自分の心がホッといやされるために飾るのだと気づきました。
花と対話しています。飾ったときは「きれいね」とほめます。捨てるときは「咲いてくれてありがとう」と。
たとえとても安く買えた花でも、わが家で精一杯咲いてくれた花です。

袋に捨てながら、花の退場の〝花道〟に、「イヨッ、きれいだったね!」と声をかけたいのです。

 


・イラスト/いなだ 牧子


著者・並木 きょう子/東京都在住。フリーライター。人の生き方を独特の視点で描く人物ルポ、軽妙なエッセイ執筆。著書にエッセイ「ごちゃまぜ同居行進曲/主婦の友社刊(テレビドラマ化)」「300字の小さな幸せレシピ/アップオン刊」ほか多数。
ⒸKyoko Namiki,Makiko Inada&upon factory 
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※新しいエッセイは毎週月曜日に掲載します。
※8月23日号 長男が、大人の背丈になったとき
※8月30日号 食卓を片付けながら
※9月  6日号 庭のブドウの樹
※9月13日号 ある年の初秋、結婚披露宴で
※10月4日号 多摩川の鉄橋で
※10月11日号 〝新米の力〟
※10月18日号 今夜の君は美しい!
※10月25日 号〝湯気マジック〟
※11月 1日号 日本のお母さんの手
※11月 8日号   紅葉を楽しみに