アイキャッチ
SOCIAL TOPICS //// Views-428

木製車いすが編集部にやってきた

2023年9月20日(水)
らくゆく編集部に体にふれるおよそすべての場所を木材で制作された

‟介護用木製車いす”

がやってきたのです。

見本としてもってきていただいたのは、
まもなく創業60年を迎えようしている。
"カネモク工業株式会社"代表 金子社長。

突然ですが、
代表に質問してみました。

Q1)何が製造を決めるきっかけだったのですか。

母親が車いす生活をよぎなくされ、体調もすぐれず外出することも嫌がるようになってしまった時に、私の妹の結婚式が近づき母の気持ちを前向きにと考え、せめて使っているアルミ製車いすを綺麗な家具調に替えて結婚式の集合写真を撮らせたいとの思いから色々調べてはみたのですが、当時は木製の車いすはなく、それならば特注家具を作っている自分たちの手で製作をしようと挑戦したのがきっかけですね。

Q2)最初制作に取り掛かった際の原材料や産地は。

初めて挑戦した際、ちょうどそのタイミングで東北産の樺材の家具を作る仕事が多くあり、材料の強度や、家具としての色合いも大変に良いことから材料として選びました。

Q3)どういった場面や場所のどういった方々へ木製車いすを利用してもらいたいでしょうか。

すべて木材で製作をした車いすは、折りたたみができなく、アルミ製と比較すると重量は重いので自走には不向きのような気がします。
しかし、樺材やブナ材で組み立てた車いすは大変色合いが良く、華やかで介助をされている・受けられている方々の特別なシーンでは、きっといい思い出を描くことがいただけるのではないかと考えます。ですので、ホテル・美術館・写真館・レストラン・百貨店・冠婚葬祭場などの施設での、催事の際に、ご利用いただければと思います。

Q4)初めてJIS規格の試験基準を満された時期は。

広葉樹材、比重0.85程度の硬い材料を使用した車いすは、平成13年6月にJIS規格試験に合格(H13-20号)。意匠登録については平成13年10月(登録114769号)。また、木製車輪の製法についても、平成15年2月(特開2003-038577)。針葉樹材比重0.4程度の柔らかい材料を使用した車いすは、令和3年9月にて特許を取得しました。

Q5)今回展示の多摩地区産材使用した経緯は。

東京都の木材流通の方より、東京都多摩産材の利用を勧められ特に針葉樹材はすでに植林された人工林の多くが50年前後の伐期を迎えていて、使用期限が待ったなしの状態になっています。
国が主導する地方創生SDGsを推進しているモデル事業の一つである

「SDGs未来都市」

の考えに沿う方法の一つとして東京にある製造工場が東京の木材を使い東京に住まう人(働く人)で使う商品を作る。
企業の基本の考えである「三方よし(売り手よし、買い手よし、世間よし)」の関係になると考えました。

Q6)製造で、苦労されたことは。

針葉樹は非常に柔らかく強度がないため製品としてのJISの強度試に合格が出来ず、製造過程で組み合わせる材料や接着剤にまで、いろいろな工夫が必要で実際試験に合格するまで長い時間がかかったことです。

Q7)サイズなど、オーダーはどこまで可能なのでしょうか。

すべてを木材で製作しているモデルのみの対応になります。
オーダーについてはお時間をいただき対応させていただきます。
また車輪のサイズについては24インチの1-1/4タイヤの生産が終了してしまいましたので、24インチの1-3/8タイヤを使用してのオーダーとなります(パンクレ)。

Q8)最後に、大事にされている言葉など、お教えください。

好きな製作の仕事をして生活の糧としています。
ですから、
「毎日が挑戦、常に初心で」
とにかく前に進みます。

※商品のお値段などの詳しいご質問は、カネモク工業株式会社HPお問合せフォームより、お問合せください。

らくゆく編集スタッフも‟木製車いす”に興味津々

木製車椅子タイプ21(多摩産材仕様)
木のぬくもりが手に伝わってくるようですね。

木製車椅子タイプ22
折りたたみ式で軽量小型病院などの施設の中でも木のぬくもりを感じられそうですね。

らくゆく編集部スタッフ感想
ハンドリムの手触りがいい。雨の日でもすべらなそうな感じがしました。
 

金子社長、社員のみなさま。ありがとうございました。
<らくゆく編集スタッフ一同>


木製車いすを実際にご覧になりたい方は、
下記にて、出展予定とのことですので、
直接ご覧いただいてはいかがでしょうか。

「東京の木 多摩産材利用拡大フェア2023」
<日時>
2023年11月 9日(木)10時00分~17時00分
2023年11月10日(金)10時00分~16時00分
※事前登録不要
<会場>
新宿NSビル地下1階大展示ホール(東京都新宿区西新宿2-4-1)
<URL>
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2023/09/05/07.html

文:らくゆく編集部 山本 / 写真:板さん


カネモク工業株式会社HP
https://www.kanemoku.com/