皆さんは「ヘルプマーク」を、ご存知でしょうか。
外見からは分からなくても援助や配慮が必要な方(義足や人工関節を使用している方、内部障がいや難病の方、または妊娠初期の方など)のためのマークです。
認知度としては「2017年:9.5%、2022年:52.3%」5年間でかなり知られるようになりました。
参照先:東京都福祉局/第一生命経済研究所
目次
- ヘルプマークって何?
- ヘルプマークの意味と制定日
- ヘルプマークの対象者と配布場所
- 街でヘルプマークを見かけたら
- 安心してサポートしあうために、注意すること
- ヘルプマークとどう違う?「ヘルプカード」について
- 知っておこう!障がい者が周囲にサポートを求めるためのシンボルマーク
- まとめ
ヘルプマークって何?
義足や人工関節を使用している方、外見からはわからないような内部障がいや難病の方、または妊娠初期の方など、周囲の方に援助や配慮を必要としている方々に対して、東京都が2012年(平成24年)にマークを作成し、全国に広まっています。
かばん等につけられるように、吊り下げタイプになっています。

ヘルプマークの意味と制定日
✚(白い十字マーク)と♡(ハートマーク)の組み合わせには、「手助けや配慮が必要であることを、周りの人に知ってもらい、行動に結びつけられるように」という意味が込められています。一般的なカードと同じくらいのサイズで、付属のシールには、どんな手助けが必要か、どんな配慮をしてほしいかなどが書けるようになっています。
・赤:手助けや配慮が必要であることを知らせる。
・♡(ハートマーク):手助けや配慮する気持ちを周りの人に知ってもらい、行動に結びつけられるようにという意味が込められています。
参照先:こそだてまっぷ
■ヘルプマークの日
・7月20日を制定し、全国共通のマークとなり、東京都は世界陸上やデフリンピック開催の機会を捉え、障がいのある人もない人も、障がいへの理解の一層の促進に取り組み、実現を目指します。
へルプマークの対象者と配布場所
- 主な対象者
ヘルプマークの対象は、主に義足や人工関節を使用している方、内部障がいや難病の方、妊娠初期の方など、外出時に援助や配慮を必要としている方たちです。
ただし、障がいや疾患に基準は設けておらず、指定された配布場所で申し出ることにより速やかに利用することができます。
参考先:東京都ヘルプマーク公式サイト - ヘルプマークの配布(東京都の例)
ヘルプマークは、現在全国で展開されていますが、ここでは東京都での入手方法について紹介します。 - 東京都内の指定された施設(都営地下鉄の駅、都立病院など)で、無料で入手できます。
- 口頭による申し出により、お一人様一つまでの配布となります。
※障害者手帳の提示や医師の診断書は不要です。 指定の施設で直接受け取ることが難しい方は、郵送対応を行っています。(※都内在住の方に限ります。)
ヘルプマークの配布場所は、次の通りです。都営地下鉄 ・各駅(駅務室又は改札)
下記の駅は除く
・都営浅草線:押上駅 ・都営新宿線:新宿駅
・都営三田線:目黒駅、白金台駅、白金高輪駅都営バス ・各営業所 都電荒川線 ・荒川車庫前駅 日暮里・舎人ライナー ・日暮里駅 ・西日暮里駅 ゆりかもめ ・新橋駅 ・豊洲駅 ・有明駅 多摩モノレール ・多摩センター駅 ・中央大学、明星大学駅 ・高幡不動駅
・立川南駅 ・立川北駅 ・玉川上水駅 ・上北台駅都事業所 ・東京都心身障害者福祉センター(新宿区)、
・東京都心身障害者福祉センター多摩支所(国立市)都立病院 ≪23区≫
・大久保病院(新宿区) ・広尾病院(渋谷区) ・大塚病院(豊島区)
・駒込病院(文京区) ・墨東病院(墨田区) ・東部地域病院(葛飾区)
・荏原病院(大田区) ・豊島病院(板橋区) ・松沢病院(世田谷区)
≪多摩地域≫
・多摩南部地域病院(多摩市) ・多摩北部医療センター(東村山市)
・多摩総合医療センター、神経病院、小児総合医療センター、東京都がん検診センター(府中市)参考サイト:東京都福祉局
※ヘルプマークは令和3年10月31日現在、東京都のほか、全ての道府県で導入されています。
街でヘルプマークを見かけたら
街中や交通機関を利用中、あるいは災害時にヘルプマークを身に着けていて困っている人を見かけたら、ぜひ声をかけてください。そして、本人の希望を必ず確認したうえで援助を行いましょう。
- 電車やバス内で体調を悪くしているようであれば、座席を譲ることも選択肢のひとつです。
- 援助は必ずしも強制ではなく、支援者自身の安全も確保したうえで行います。
- また、体調不良や障がいの対処方法には個人差があるため、ヘルプマーク所持者がサポートを断る可能性もあります。しかしそれは支援を申し出た人の善意を必ずしも否定するものではありません。

安心してサポートしあうために、注意すること
体調の変化や妊娠などで急に周囲の援助が必要になった時、速やかに利用きることがヘルプマークの最大のメリットです。
しかし地域や年齢層によって認知度にばらつきがあることや、誰でも簡単に持つことができることから、マークの本来の目的をしっかり理解していないと悪用や誤解を招きやすくなります。
利用する側、援助する側双方が、今後ヘルプマークの意味や役割についてより一層の理解を深めていくことが求められています。
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ヘルプマークとどう違う? 「ヘルプカード」について
ヘルプマークは、自身が周囲の援助を必要としていることを意思表示するマークです。
一方で、「援助が必要な場面では、具体的にどのようなお願いがしたいか」という要望を持つ人もいるでしょう。
その場合は「ヘルプカード」を活用してみましょう。
◼️入手方法
ヘルプマークと同様、日本全国で入手、利用可能です。
都道府県や市区町村の福祉担当課が窓口です。最近はヘルプマークと一緒に配布する自治体が増えています。
また、各自治体のホームページでもダウンロードできます。
障害者手帳や診断書などの提示は不要です。
※ヘルプカードは令和6年10月1日現在、東京都のほか、全ての道府県で導入されています。
■ヘルプカードに記載できる内容
- 氏名
- 生年月日
- 年齢
- 住所
- 緊急連絡先
- 病気や障がいの名前
- かかりつけ医療機関
- 服薬の有無、薬剤名
- 手伝ってほしいこと
急な体調の変化や災害時には、周囲との適切な会話や行動ができなくなることも想定されます。
ヘルプマークと併用して、安心して外出できるよう対策をしましょう。
参照先:ONODERA ナーシングホーム
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知っておこう! 障がい者が周囲にサポートを求めるためのシンボルマーク
ヘルプマーク以外にも、疾患や状況に応じて周囲にサポートを求めるためのマークがあります。
代表的なものは次の通りです。
| ハート・プラスマーク | ・内部障害(内臓(心臓、じん臓、呼吸器、ぼうこう、直腸、小腸、免疫、肝臓)に障害がある方))があることを示すマークとして、周囲の人々に理解や協力の輪を広げるために作られた特定非営利法人ハート・プラスの会が奨励しているマークです。 ・自治体の窓口や特定非営利法人ハート・プラスの会の事務局などでもらうことができます。 ※申請時、身体障害者手帳・印鑑が必要な場合がある |
| 耳マーク | ・聞こえが不自由なことを表すと同時に、聞こえない人・聞こえにくい人への配慮を表すマークです。 ・こちらも、なかなか外見からは分かりにくい場合が多いため、周囲の人に状況を伝えるために使われています。 ※自治体窓口・保健福祉センターなどで配布 |
参照先:LITALICO ワークス
まとめ
ヘルプマークがますます普及し、外見では病気や障がいがあると分かりにくい方が多くいます。
周囲の方々が、ヘルプマークの存在を理解し、行動に移せることが、当たり前のようになることが大切だと思います。
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文・写真:高瀬翔太
公開日:2025.12.02
