今年の夏季休暇に毎年恒例の「真夏の弾丸ツアー」を決行しました。記念すべき第一弾は8月10日(日)に活気あふれる都市、大阪への旅からスタート。限られた時間を最大限に活用して充実した一日を過ごしてきました。
大阪へ行った目的は、夢洲で開催されている大阪・関西万博…と思いきや、再開発エリア「うめきた」に位置するグランフロント大阪で開催された城好き必見イベント「お城フェス2025 in 大阪」へ。関西周辺の名だたる城郭を集めた一大イベントで、ブース展示、グッズ販売、専門家フォーラムなど歴史ファンにはたまらない祭典です。
大阪までのアクセスも旅の醍醐味。高速道路は使わず、夜の横浜から一般道で出発。山梨、長野、岐阜、滋賀、京都、奈良を経て、大阪へのロングドライブです。途中で長野県伊那市にある高遠城(たかとおじょう)、岐阜県大垣市にある墨俣一夜城(すのまたいちやじょう)と大垣城、滋賀県彦根市にある佐和山城の戦い古戦場に立ち寄り、城の遺構や歴史の息吹を感じながら、じっくりと道中を楽しみました。
長野、奈良の道の駅で車中泊して8月10日(日)の朝10時頃、ついにグランフロント大阪に到着。
![]() ▲大阪周辺の歴史的建造物を示したマップ | ![]() ▲お城フェス2025 in 大阪のフロアマップ |
会場に足を踏み入れるとまず目に留まったのは、大阪の名だたるお城やお寺が描かれた大きなマップでした。さらに、会場内を分かりやすく案内するフロアマップも設置されており、初めて訪れる人でも迷うことなくイベントを楽しめる工夫が随所に感じられました。
国史跡 飯盛城跡(大阪府大東市)ブース

▲三好長慶公特別住民票とミニチュアの三好長慶公像
会場を歩いていると、展示ブースの一角に戦国武将・三好長慶(みよしながよし)公にまつわる特別な品々が並んでいました。
左側には、大阪府大東市が発行した「三好長慶公特別住民票」が額縁入りで掲げられており、長慶公を現代に蘇らせるという、地元の歴史愛あふれる取り組みが伺えます。
右側には、精巧なミニチュアの三好長慶公像がガラスケース内に設置され、兜や甲冑の細部までこだわった造形が目を引きます。台座には「按成一剣定天下(あんせいいっけんていてんか)」※1と力強い文字が刻まれており、戦国時代の緊張感と長慶公の威厳が感じられる一品でした。
※1…「按成一剣定天下」は笑嶺宗訢(しょうれいそうきん)さんの「讃」が元ネタで、「一剣を按成して天下を定める」、すなわち「長慶さんによる天下平定」を讃える言葉です。
龍野城/たつの市観光協会(兵庫県たつの市)ブース
![]() ▲戦国時代に使用されていた武器 | ![]() ▲戦国時代に使用されていた鎧 |
ござの上に丁寧に並べられたのは、抱え大筒、火縄銃、そして精巧な鎧の一部。重厚な金属の質感や、細部までこだわった装飾が、当時の戦場の緊張感を伝えてくれます。
来場者が実際に手に取って触れることができるという、貴重な体験型展示となっていました。
特に火縄銃は実際に手に取ることができ、ずっしりとした重量に驚かされました。これらの武器や防具を使いこなしていた武士たちの力強さや歴史へのロマンを肌で感じられる貴重な体験となりました。
福山城ブース

▲福山城の天守北側で実際に使用されている鉄板
福山城のブースでは実際に天守北側で使用されている鉄板に触れることができました。鉄板の表面に手を当てると、ひんやりとした金属の感触と重厚な構造が伝わり、城を守る防御の強さを実感できます。
福山城天守の北側が鉄板で覆われている理由は、単なる風雨への備えだけではありません。天守が城郭内の北側に位置していることで、外部から直接攻撃を受けるリスクが高く、防御の役割も果たしているのです。このような工夫から、当時の城主や築城技術者の知恵と防衛への想いを感じることができました。
本物の鉄板に触れることで福山城の歴史的背景や城の防御力の高さを体感できる貴重な機会となりました。
岸和田城(大阪府岸和田市)ブース
![]() リアル甲冑体験できる甲冑 | ![]() 兜、刀を身に着けてポーズ |
岸和田城のブースでは、戦国気分を味わえる「リアル甲冑体験」がありました。本格的な甲冑一式が展示されており、来場者は実際に着用して武士気分を楽しむことができます。
今回は甲冑の着用こそ叶いませんでしたが、用意された兜をかぶり、刀を手にして記念撮影に挑戦しました。
戦国時代の衣装や武具を間近で体験できるこのブースは、歴史ファンのみならず多くの来場者で賑わい、思い出に残る貴重な体験となりました。
戦国のメインステージ岐阜ブース

▲大垣城周辺のジオラマ
岐阜県のブースに足を運ぶと、ひと際目を引いたのが大垣城周辺のジオラマ展示でした。精巧に造り込まれた模型には、城郭はもちろん、町並みや堀までが再現されており、まるで当時の大垣城下町にタイムスリップしたかのような臨場感を味わえます。
ジオラマをじっくり眺めながら、城の規模や地形上の工夫、歴史的な背景に思いを馳せるひととき。本物さながらのジオラマによって、岐阜の城文化の奥深さと当時の暮らしへの興味がさらに増した瞬間でした。
歴史と体験の余韻を残して、旅はまだ続く
最後に今回のフェスに参加して、さまざまな体験型のブースを巡ることで日本の城文化に改めて触れることができました。実際にお城で使われている鉄板に触れ、火縄銃を手に取り、兜を被るなど、日常ではなかなか味わえない貴重な体験が次々とあり、知識を深めることができ、日本の城文化の奥深さとその魅力を心から実感できる素晴らしい時間でした。
「お城フェス2025 in 大阪」での貴重な体験に名残を惜しみつつ、次なる目的地へと足を進めました。新しい出会いと発見を胸にこの一日が今後の城めぐりの旅の大きな糧となることでしょう。
写真/文:大ちゃん
<自己紹介>
◯ハンドルネーム/大ちゃん(大仏ガンタンク)
◯年齢/46歳
◯障害名/胸椎損傷 30年車いす使用
〇移動手段/車いす(自走)と車
◯趣味/横浜F・マリノスサッカー観戦
ダーツ
お城、お寺、神社、道の駅、夕陽巡り
◯座右の銘/明るく、楽しく、一日ひと笑い
弱気は最大の敵






