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シリーズ
超高齢化社会における
歯科とバリアフリー
(第3回目)

第3回目

バリアフリー歯ブラシとは?

 

 そんな便利グッズがあるかを考える前に、まずは「ユニバーサルデザイン」について見てみよう。
ユニバーサルデザインとは、ユニバーサル=普遍的な、あるいは全体的な、という言葉が意味するように「すべての人のためのデザイン」を表し、年齢・性別や障害の有無などに関らず、最初からできるだけ多くの人が利用可能であるようにデザインすることを言う。
この考え方は1980年代に米国のノースカロライナ州立大学のロナルド・メイス氏によってまとめられ、7つの原則が提唱された。
1.誰でも使えて入手できる(公平性)
2.柔軟に使用できる(自由度)
3.使い方が簡単に分かる(単純性)
4.使う人に必要な情報が簡単に伝わる(分かりやすさ)
5.間違えても重大な結果を生まない(安全性)
6.少ない力で効率的に、楽に使える(省体力)
7.使う時に適当な広さがある(スペースの確保)

 よく取り上げられる身近なユニバーサルデザインの例としては、シャンプー容器のギザギザ、テレホンカードの切れ込みなどがある。
では、歯ブラシについて見ていこう。


まずは、図1のような柄が太くて握りやすい商品がある。このデザインは子どもや握力が弱い人、手が不自由な人でも使いやすく、機能訓練にも役立つ利点もある。


次に紹介するのは、図2のように歯ブラシの毛が360°の全周にわたって植毛されている商品である。


全方向を向いた毛のため、磨く際に手首を返す必要がなく、高齢者や障害者にも使いやすい。また、すべてが曲面のため、歯を磨く時に歯ぐきには余計な負荷をかけずにマッサージができるというメリットもある。
使用者のニーズに合ったバリアフリー歯ブラシの選択に、ご参考になれば幸いである。

 

【参考資料】
(株)ビーブランド・メディコ・デンタルホームページ(ジュピタイド)
  https://bee.co.jp

(株)ビバテックホームページ (360°歯ブラシ)
  https://vivatec.jp

 

文/島谷 浩幸
医療法人 恵泉会 堺平成病院 歯科科長
https://sakaiheisei.jp/

 

■シリーズ■
第1回目 バリアフリー歯科医院の盲点レントゲン撮影できますか?
第2回目 車いす対応診療台が役立っています


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